よき景観を維持するために京都市では厳しい建蔽率を設けています。たとえば敷地面積の10%以下の建物しか認めないなど。これには意義も問題も感じてはいません。
問題は、500坪の土地を買って50坪の家を建て、そのあとで450坪の土地を分筆して切り売りすれば、更地として扱われるところにあります。つまり、その450坪を買った人は、45坪の家を建てられます。もちろん、また410坪を切り売りすれば更地になります。
次に、私が新築した1963年当時は、わが家の一帯は建蔽率が10%でした。その後緩和されて、30%になりました。この緩和に対して問題提起をしたいとは思いません。
問題は、建蔽率10%の時代に家を建てた人が、建蔽率が30%になったときに見直しがなかったことです。つまり、500坪の地目山林の土地を買って30坪の家を建てたとすると、300坪分の地目を固定資産税率が高い宅地に変換させられました。その後、建蔽率が30%に緩和された(100坪の宅地があれば30坪の家を建てられるようになった)にもかかわらず、200坪分の地目を固定資産税率が低い山林に戻してくれないところに問題があります。
もっとも、怒鳴り込めば、税率が低い地目に戻させるのかもしれませんが、ごね得は行政のやっていいことではありません。
以上の2件に関して京都市が保っている一貫性は、税収増に寄与するか否かの判断だけに収斂していることであり、税収増に結びつくなら景観の破壊や矛盾には目をつぶる態度です。
|