1年で1番忙しくなる日

 

 喫茶店を開くことになったときに、屋内禁煙など、私は幾つもの条件をつけました。その1つが「統計を録る」ことでした。

 天候や気温などと、来店者数や注文品の数との間に相関関係を見いだすこと、でした。父が1日も欠かさず気象予報に携わってくれたおかげもあって、2年もしないうちに、妻は1年で1番忙しくなる日を特定できそうな気分になっていました。

 その日は、1年に1日だけですが、400人近い人がこの喫茶店に入ります。今年は23日でした。その前の日は300人ほど、翌日は150人でした。

 ちなみに、秋の2ヶ月で、1年の来店客の6割を占めます。閑散期は日に5人とか10人はざらで、22年間で0人の日が幾日かあります。2人という日は珍しくありません。ですから、この一帯では、10年も20年も恒常的に開店し続けている喫茶店は我がアイトワだけではないでしょうか。

 余談になりますが、この他にも、メニューや値段を変えない、長期休暇を設けるべきだが気まぐれのような休業日をはさまないなど、もあります。彼女たちは当初に決めたそれらを、22年来守っています。でも、これ以上消費税が上がれば、別の意味で料金を変えようと思っています。

 それも、両親に訴えた喫茶店を開く意義とおおいに関係があります。