飲まず食わず

 

 小さなお店に、400人近い人に入っていただくと、店を切り盛りする人は昼食を取る時間などありません。でも私は、この1日を乗り切ることで、店を守る人たちに自信と結束力を高めてもらえるに違いない、と期待しました。

 そうプラスに作用させる秘訣の1つは、お客様と不法侵入者の識別を明確にしたことではないでしょうか。メニューの対価を支払う人がお客様ではない。それはお客様の1つの条件を満たしているに過ぎない、との認識を共有してもらっています。

 たとえば、屋内禁煙を守らない人には出て行っていただくようにお願いし、その注意に従わない人は不法侵入者予備軍と見て対応し、場合によっては警察に突き出してよい、など。

 要は、善良なお客様の迷惑になるような人は、どれほど多くの買い物をしていただいても、お客様ではない、との考え方で統一していることです。それが、ひいては飲まず食わずにも耐えられるパワーの源泉と私は考えています。