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アイトワ循環図
日々好日 09/01/11

 今週の主たる出来事は、知友の一人とリズが一家で訪ねてくれたこと。院生対象のシラバスが決まり、次の本の試し刷りが届き、取材がうまく済んだこと。雲をテーマに2人展を開いたうちの1人が訪ねてくれたこと。そしてスナップエンドウにフレームをかぶせビオトープの土手掃除に手を付けたことです。最後は、これから出かける伊藤忠時代の37会で、日々好日でした。

 知友の一人は、20年も前に偶然知り合った女性です。当時、定期的に顔を出していた勉強会に、メンバーの一人がつれて来たゼミ生でした。今は、職場で知り合った夫と高齢出産でもうけた一人息子を連れて年に1〜2度訪ねてくれます。この春から旧帝大の1校で、院生の社会参加を促すプログラムの準教授になったとか。いつもその華麗な転進ぶりに驚かされます。

 リズは私にとってアメリカの長女です。夫と2人の娘、そして小さな苗木を伴ってやってきました。現在は京都に駐在です。それは奇遇で、かつてリズを日本に派遣したプログラムに、今はその夫が関わっていたのです。ニューイングランド地方の幾つかの大学は連携して、日本を研究対象にした学生を日本に留学させるプログラムを実施していますが、リズの夫はその留学生の日本での世話係りを担うことになったわけです。小さな苗木は、リズが最近失った姉の霊を弔うための記念樹で、アイトワの庭に植えてほしいと頼まれました。

 雑誌の取材は、妻とキモノとの関わりが主テーマでしたが、私も意見を求められました。妻は10年ほど前に、今は亡き母からそのキモノの継承者に選ばれましたが、それをきっかけにしてキモノを愛好するようになりました。私はちょうどその頃、キモノに関する1冊の本の誕生にかかわっていました。装賀学院というキモノの着付け教室の院長に頼まれ、『きものをめぐる100ものがたり』という本の編纂に関わり、日本人のキモノに対する思い入れの強さに心を打たれました。そうした思い出をベースに、装いと人間のかかわりについて語りました。

 この時期は、大学の先生たちが向こう1年間の講義のプログラムを固める時期です。ちょうどそのタイミングに、次の本の校正刷りが上ってきました。そこで、2人の先生にその校正刷りに目を通していただくことにしたのですが、先にお届けした高名な先生から、テキストに採用するといってもらえました。私には、最後の校正ですから、慎重に目を通しました。

 この1週間は、雨勝ちの寒い日が続きました。週末あたりから朝の室内温度が連日7℃を示すようになりました。それは元旦に記録して以来の寒さです。庭ではロウバイが、蜜を吸いに来た小鳥に花を次々と落とされ、畑ではブロッコリーの葉が小鳥にずいぶん食いちぎられました。問題は、スナップエンドウの苗と、太陽の光を直接受けさせようと思って屋外に出した鉢植えの花キャベツです。惨めなほど小鳥に葉をつつかれてしまいました。スナップエンドウの苗は、もはや再生不可能かもしれません。しかし、スナップエンドウの畝にはフレームをかぶせ、トンネル栽培に切り換えてみました。鉢植えの花キャベツは、温室内に取り込みました。

 庭仕事は、ビオトープの一帯の手入れをしただけで終わりました。そこは庭の北西の角で、庭の一番高い部分です。この一番高い部分に、ワラビの土手やゼンマイの土手があります。そこはクヌギや樫の木も生えており、毎年手入れに手間取るところです。笹を刈り取ったり、ワラビやゼンマイの土手に覆いかぶさるようにして茂るクヌギや樫の木などの剪定をしたり、落ち葉掃除をしたりしなければなりません。述べ3日をかけて、やっと落ち葉掃除の段階にいたりました。まだクヌギの葉が落ちきっていませんから、仕上げはその残っている葉が落ちてからにしよう、と考えています。これから大阪に出て、商社時代の仲間との懇親会です。
 
週はじめに、小鳥が風除室でバタバタしていました。初めて手にする小鳥ですから、捕まえて、妻にも見せた上で放しました。その間に、ばたついて風切り羽を数本落としましたが、元気に飛び去りました。穀物を好みそうな嘴です。

リズ一家を、妻は中華ちまきやケーキを用意して迎えました。この夫婦には実子がなく、2人の養女を赤ん坊の時から受け入れています。上の子は反抗期に入ったようです。この2人の少女に、妻はカナッペ作りと、ケーキのデコレーションなどを手伝わせたようです。リズは姉の死をいたむ記念樹としてコニファーと呼ぶ常緑の苗木を携えてきました。背丈は1.5m程度にしかならないと聴きましたから、それ以上に育たれたのでは困る庭で一番目立つところに植えました。

キモノと日本人のかかわりを綴った一書。100点ほど集まりそうと聞いていたキモノの思い出をつづった作文の審査を引き受けました。なんと600点近い応募作品があり、へとへとになりながらまず100点を選び出しました。その上で15点の優秀作品を定めたのですが、この100点を一書にまとめることになったわけです。日本人のキモノにたいする思い入れの記録として、貴重な一書であろうと思っています。

アイトワを賑わせたバラ。ときどき茨城県のバラ農家から贈っていただきます。その方は、従業員の研修旅行で嵯峨野をめぐり、その途中で雨が降ってきたので飛び込んだところがアイトワでした。それが縁で親しくつき合わせてもらえるようになりました。今年は新年早々からバラの香りを愛でることが出来ました。

7日の水曜日は見事な朝焼けと、七草がゆから始まりました。七草のうち、スズナ・スズシロは大根とカブラで代用しますから、庭で十分に収穫できないのは今もホトケノザです。かつてホトケノザの苗をいただき、それから広がったと思う野草がありますがのですが、「ホトケノザだ」と特定する能力を持ち合わせていません。庭に自生しているオニタビラコとよく似ているのです。

ビオトープの土手の手入れは、ビオトープの半分まで落ち葉カキを済ませました。その最中にルリビタキがやってきました。右のルリビタキは、三崎美夫さん(『庭宇宙パート2』では、カワセミの写真を使わせてもらいました)の望遠レンズで捉えてもらった姿です。背中の色は、アタマの青色一色です。

鉢植えの花キャベツがこんなについばまれました。キャベツよりおいしいようです。スナップエンドウの苗はもっと惨めな状態です。ツタンカーメンのエンドウはついばまれていません。