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山仕事と山の幸 09/02/15

 今週は山仕事が中心でした。裏庭の棕櫚の伐採から手をつけました。不幸中の幸いとはこのことでしょう、切る位置を間違えていたら、大変な被害を出していたところです。まず棕櫚の上部にロープを結わえ、倒したい方向に引っ張る役目を妻に与えたのですが、力を入れる瞬間をみうしない、あわてたときは手遅れでした。根元から1m余も上から切ったおかげで、電線に接触しただけで済み、仕事部屋の破壊を免れました。倒してみて分かったことですが想像以上に重い木で、いったん予期せぬ方向に傾きだしたら、大の男でも制御できそうにありません。大地を打つドスンという音は迫力満点でしたし、そのときの衝撃でエンジンソーの刃がはずれ、補修に難儀しました。おかげでエンジンソーの構造を一段と深く理解できました。被害は電線を支える碍子の補修とゆがんだ鉄のエルボーの交換で済み、早速電気屋さんに来てもらいました。

 次いで、煙突と風呂釜の掃除をした上で、囲炉裏場に積み上げていた木の整理をしました。煙突掃除に手をつけたのは、暮れにできていなかったし、伐採した棕櫚の葉が煙突をたたいたからです。囲炉裏場の整理は、先週切り取ったマキノキやエゴノキの枝をさばいて、小枝は燃やし、太いところは薪にすることでした。それは、囲炉裏場の奥にある堆肥の山を崩し、一輪車で運び出しやすくするためでした。過日、いまだ堆肥化していない上部を取り除いた方の山を、そっくり義妹夫婦にあげたのですが、義妹夫婦は娘婿を連れて予定通りに取りにきました。

 エノキの始末とクヌギの手入れもしました。お向かいがエノキの巨木の手入れをされましたが、その業者を紹介した関係で、太い枝の捨て場に我が家を使ってもらったのです。そのエノキの手入れを終えた業者にチョッと手を貸してもらい、1本の立ち枯れしたクヌギの寸法を縮めてもらいました。それは囲炉裏場に生えているクヌギの1本ですが、かつて別の業者に上部を切り取ってもらったところ枯れてしまったのです。しかしテントを張るときの柱として欠かせません。

 クヌギの寸法縮めは、立ち枯れたクヌギを腐りにくくするための作業でしたが、私がしようと思って12段脚立を据えてありましたから10分とかからずに済みました。エノキの始末は、庭に運び込まれた太い枝の駒切りです。生木の間に切るほうが安易だし、薪として乾かす上でも有利ですから手をつけましたが、半分ほど切ったところで夕刻になり、残りは次週に回しました。

 主だった来客は、見事な自然薯とカサブランカの球根を持参してもらったお2人と、父の17回忌に参加した姉です。自然薯の方の客は、昨年の入院前日に祇園で一緒に酒盃を傾けた人です。私が酷く疲れていたことを気にかけてもらっていたようで、見事な自然薯を山で見つけ、自ら掘り出して届けてもらいました。カサブランカの方の客は、私にとっては山野草の先生ですが、花を15個はつけそうな見事な球根を2つ持参してもらい、2つの大鉢に植えつけてもらいました。姉は日野市に住んでいますが、80歳ですから、我が家に泊りがけで来てもらいました。

 九州の都城の友から山の幸が届きました。親イモが美味しい品種の親イモとそのコイモですが、地卵が添えられていました。この友は姉と同年輩ですが、なお有機栽培で梅を育て、梅製品の製造販売に携わっています。自然薯を持参してもらった人は83歳ですが、野良仕事が趣味でかくしゃくとしています。ですから私はこの2人を目標にしており、85歳までは庭仕事に携われるはず、と考えています。姉は足も弱っていますが、歯は21本残っているそうです。

 最後は花車の準備です。花の苗を妻と買いに出かけ、2つの大きなプランターに植え込み、温室で養生することにしたのです。妻は7月21日から喫茶店を 再開しますが、その時にデビューさせる花車のために、寄せ植えのプランターを2つ私が用意しました。
 
この棕櫚(しゅろ)は、水の浄化に用いる棕櫚毛(上左)をとるために、泉のそばに植えていました。陶器の傘たてに、棕櫚毛、木炭、そして砂をうまく積み重ねて水の濾過器にすれば、泉の水を断水時の飲料水にできるでしょう。背丈が高くなりすぎましたし、跡継ぎの棕櫚(左)が育ち始めましたので、伐採しました。切り倒してみると、背丈は6mもありました(上)。

エントツ掃除をしたついでに風呂釜の掃除もしました。風呂釜の掃除は2〜3ヶ月に1度は簡単にしますが、エントツ掃除のときに、年に1度は念入りに煤をかきとります。
 

マキノキの枝と切り取ったエゴノキを、大小2種の斧を使い分けて薪にしました。細い枝や葉はすべて焚き火をして灰にしましたからかさが小さくなりました。この他に、束に出来ないゆがんだ部分などが相当量でました。

渡り鳥のシロハラが風除室に飛び込みました。初めて捕まえましたので妻に見せた後で放しました。シロハラはこの時期になるとやってきて、ミミズなどを求めて、くちばしで落ち葉を跳ね飛ばしながら突き進みます。その様は、清水の次郎長が群がる喧嘩の相手を跳ね飛ばしながら突き進む姿を連想させます。

枯れたクヌギを2mほど切り縮めました。かつて上部を切り取ったときの業者が、まずい切り方をしていたのが原因であったと分かりました。思っていたより腐食が進んでおり(右)、すでに火力は3分の1ぐらいに落ちていると思います。以前の業者は、細かく切り落としてゆかずに、切れ目を入れてジャッキで引き倒す方法を用いていましたから裂け目をつくり、そこから雨水で腐食させ、立ち枯れの原因にしていました。

15年ものの見事な自然薯。目方は1.7kg。枝分かれした根は、皮をむいた上で添えられていました(右)が、それを加えると2kgでした。太いところの差し渡しは8.5cm。よくぞ見つけて掘り出してもらえたものだと思います。この人は山を持っています。土佐の旧家の出で、このたびも愉快な話を聴きました。三菱の創業者となる岩崎弥太郎は、若かりし頃にしばしばこの人の祖祖父の家を訪れ、いつも4日ほど泊まって4升の酒を飲まないと帰らなかったそうです。この人は棕櫚毛の切り取り方もご存知でした。

温室で養生にはいった花車用のプランター。毎年幾度か仕立て直し、花車をリフレッシュします。大勢の来店客が、来店記念の写真を撮ってくださいますが、その多くは花車を入れておられます。