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ノーブレスオブリジェ 09/03/08

 バランスの取れた一週間でした。庭仕事、デスクワーク、来客などの社交が程よく混じったからです。好天に恵まれた3日のうち2日をほぼ庭仕事に割くことが出来るなど、幸運が重なったおかげです。このところ、庭仕事は除草の時間に、デスクワークでは4月からはじまる講義の準備に多くを割いていますが、飛び込みの来客がデスクワークの最中にあったのも幸いでした。この他に3件の来客と4回の外出、そして小1時間の電話インタビューがありました。週の締めくくりの時間は、TV番組で残念な事実と思われることを知り、情けなくなっています。

 飛び込みの来客は「途中まで来てます」との1本の電話から始まり、素晴らしい出会いとなりました。長年にわたって有機栽培に情熱を傾けてきた農家の主婦を迎えたのです。かつて妻が電話相談に応じたことがある人ですが、その人が助言の成果の報告に来てくださったのです。どうやら京都には有機栽培でよく知られる農家が2軒あるようですが、このたびの来訪で、私たちはその両雄とお知り合いになれたようなのです。

 外出は多様でした。まず、評価委員としてある大学のプロジェクトに関わっていますが、その2年度を締めくくる用件で1週間が明けました。週末はある地域プロジェクトの準備委員の寄り合いで暮れました。その間に、講演と自主上映映画『長江の夢』の鑑賞で出かけています。映画は、若き中国人女性が撮った作品で、三峡ダムの建設に伴い移住を余儀なくされた人たちの日常を追っていました。講演は、ロータリークラブの最寄の地区定例会に呼んでもらいました。

 庭仕事では、気になっていたことが1つ、半ば片付きました。シイタケのホダ木の移動です。これまではヒノキ林に立てかけてきましたが、サルに襲われるようになり、その半数を中庭に移動させたのです。来週にも立てかけ方を工夫して完成させ、あとは適地かどうか確かめたく思っています。春子がたくさん芽生えており、移動時の衝撃でその幾つかを落しました。

 鉢植えの手入れにも時間を割きました。まず3つの大鉢を用いた寄せ植えがほどよい頃になりましたからテラスなどにデビューさせました。2鉢はハナキャベツがベースですが、残る1鉢は自然生えしたネモフィラの苗を植えたものです。新たに大鉢を2つ用意しました。遅れて自然生えしたハナタバコとネモフィラの苗を生かしたわけです。昨年末に苗を植え込んだ早生のハナタバコを植えた鉢はもうすぐデビューさせられそうです。この作業の過程で、ホウキグサの苗がさまざまな鉢植えの根元で芽生えていることを知りました。この3種、ホウキグサ、ハナタバコ、ネモフィラに加え、いまは盛りのセイヨウサクラソウの4種は、庭で自生するようになりました。

 日本桜草が10鉢以上ありますが、新芽を吹き始めましたので、あわてて除草と肥えた土の追加をしました。今年は土替えをかねた植え替えが出来ませんでしたのでごまかしたのです。昨年、幾鉢かを庭に下ろしましたが、うまく定着していたら、今年も幾鉢かをおろしたく思っています。日本桜草も自生させたいのです。いずれは自生する植物だけの庭にしたく思っています。

 残念であったことは、鳴り物入りの白洲次郎の番組でした。ノーブレスオブリジェという言葉が飛び出しましたからとても期待して見始めました。ところが、農家の最大の働き手が次々と戦場に狩り出されている最中に、なんと徴兵の赤紙を受け取っていながら、もみ消していたのです。結婚相手の貴族の女性までが、それを見逃していたのです。近年、イギリスでは王子の息子がイラクに出陣していましたし、フォークランド紛争のときは、たしか皇太子の弟がとても危険率が高い兵役についていました。それがノーブレスオブリジェの証であるからです。日本では高貴な人がその責務を果たさないから、犬死より悲惨な死に方を平気で兵士に強いたのでしょう。

 
新たに存じ上げた有機栽培農家の手造り製品です。手土産にいただきました。妻はトマトの生かし方としてピクルスを進めたようですが、そのできばえに添えて、菜花の浅漬け、柚子大根、赤カブの漬物、筍の佃煮、そしてレモンをいただきました。いずれも美味。

かつて留学生として京都で過ごした中国人女性。京都大学の一角で催された映画のあと、撮影動機の説明や質疑応答がありました。少し登場人物への感情移入がすぎたようで、記録性が犠牲になったようで、残念でした。なぜか、もう1度、見たく思っている徳山ダムでの記録映画を思い出しました。大西暢夫さんの『水になった村』です。

ホダ木の半分を中庭に移動しました。残った半分のホダ木は、ヒノキに立てかけたままですが、母屋の窓から見える北側に立てかけ、見えない南側のホダ木を中庭に移動させた勘定です。サルはとりわけ人間の目線を嫌いなように思われるからです。

テラスなどに移動させた寄せ植え。門扉の近くにネモフィラの鉢を、人形工房の前にハナキャベツをベースにした2鉢を配しました。ハナキャベツは年始を飾らせるために用意していましたが、小鳥についばまれて成長が遅れてしまいました。そこで寄せ植えにして復活させたのです。

エンジンソーの歯の目立てをした上で、お向かいからもらったエノキと樫の木の幹を駒切りにしました。この状態で数名の若者を迎えようとしています。庭仕事を体験したいという若者に与える作業をすでに決めていますが、時間が余れば、薪割りとその移動も担当してもらうつもりです。

満開のしだれ梅。庭には3本の紅枝垂れ梅がありますが、こん1本が一番程よく育っています。少し枝を透かせる程度の手入れで済ませています。

サンシユが咲き始めました。最初に植えた紅枝垂れ梅の向こうに黄色い花を咲かせ始めたサンシユ。この花が割くと春の訪れを実感します。