映画鑑賞
 

 飲酒運転で死んだ息子を悼み、飲酒運転による殺人に厳罰を課す法律を誕生させた女性を描いたものです。当然立派な生き方だと思いましたが、なぜか釈然としないものが残りました。日に日に90人からの自殺者が出ている日本だからか、1人も死者が出なかった新型インフルエンザなのにトイレットペーパー事件の二の舞を演じた日本だからか、物的に豊になりながら日本でも大勢の幼児が親に殺されるようになったからか、沖縄には今も日米戦による数万体もの遺体を政府が放置していることを知ったからか良くわかりませんが、何かがココロのしこりになりました。

 その最大の原因は、監督が史実をまげてドラマとして仕立て直しすぎたことを、それを許してしまった遺族にあるのかもしれません。また問題は、厳罰を課すことになった法律が十分に機能していないように感じられることです。