過去を振り返りました
 

 商社勤めをしていた頃は、妻は毎朝4時台に起き出し、雨の日も雪の日も野菜の収穫から朝食の用意にかかり、5時半に私を起こしました。6時前に自転車の2人乗りで出かけ、阪急嵐山駅まで見送ってもらいました。そのあと、妻はだらだらした登り坂を自宅まで自転車をこいで帰っていましたが、結構疲れたことでしょう。当時は隣家に住む母を気にしてか、昼寝をしなかったようで、母は「昼寝をしない子だねえ」と感心していました。

 昼寝をしなかったのは意地っ張りのせいもあるでしょう。そうと分かって選んでしまった人だから、と自分に言い聞かせ、無理をしていたのでしょう。思えば当時、妻はときどき気分をわるくして食事をとれないことがままありましたが、睡眠不足が溜まっていたのではないでしょうか。睡眠不足がなくなってからはこうした現象を見せていません。

 受験浪人時代のことも思い出しました。昼と夜をさかさまにして受験勉強に励んだのですが、夏は晴れておれば5時頃から散歩に出て、朝食時間まで近隣をめぐりました。まだ、人家がほとんどなく、あちらこちらの木立がありましたが、木立越しに昇る朝日を見つめました。そして、こんなに美しい光景を見ない人は気の毒だ、と思ったものです。

 畑ではヘチマがいま花盛りですが、早朝が最も美しい。雄花@が主で、実のなる花Aはあまりつけなくなっています。ゴーヤも盛りを過ぎたようで、実のなる花をあまりつけず、これも雄花Bが主です。昔から自生している昼顔Cも晩期です。この花は翌朝まで花を保っています。自然生えしたヒョウタンも可愛い花Dをつけます。これらはいずれも最も美しいのは早朝です。夕顔Eは翌朝まで持たず、朝にはしぼんでいます。

 オクラが最盛期に入り次々と花Fを咲かせていますが、ハナオクラは晩期ですが、花Gが大きいくて色が濃いのでよく目立ちます。

 来夏から、朝飯前の畑仕事を習慣づけよう、と考えているところです。庭仕事をしながら眺める日の出は格別ではないでしょうか。それが受験浪人時代からの夢であったような気がしないでもありません。雨の日は縁側で読書です。そして、昼食後は昼寝を習慣づけようと考えています。ここまで考えたところで、また妻への思いを馳せました。

 誰に気兼ねなく昼寝が出来る身になりながら、勝手に妻は昼寝のできない立場に自分を追い込んでいます。この点をどのように配慮し、時間割を組むか、それが問題です。こに思いが至ったときに、朝食を知らせる拍手の合図が聞こえてきました。
 
ヘチマの雄花@ 実のなる花A
ゴーヤの雄花B 昼顔C
ヒョウタンの可愛い花D 夕顔E
オクラの花F ハナオクラの花G