楽しかったなあ
 

 土曜日の早朝に家を後にし、11時前に茨城県の石岡駅に到着しました。そして駅まで出迎えてくださった神生(かのう)ご夫妻に夕刻までお世話になりました。

 「バラ農家」の神生さんは、「ヨーグルトを一貫生産する酪農家」や「水車の線香工房」だけでなく「茅葺屋根のブドウ農家」とか「自家製のブルーベリーを生かした喫茶店」などに案内してくださったり、その道中でブドウやブルーベリーなどの果物産地であったこと、関東平野の広さ、防風林を持つ民家のなごりなどに気付かせてくださったりしました。その上に、温泉につかり、おいしいソバで仕上げる山の幸や海の幸まで堪能させてくださったのです。

 その昼食の場に、なんと7人もの人が集ってくださった@のです。そのお一人とは初顔合わせでしたが、かつての雑誌『ビズ』の愛読者で、私のコラムを楽しみにしてくださっていた人でした。いい気になって昼間から中ジョッキで2杯ものビールをいただきました。

 神生さんとの出会いは、かつて京都旅行をされたおりに、雨宿りされた先がアイトワであったことです。それが縁で妻が親しくさせていただくようになり、次いで神生さんが仲間連れの京都旅行でアイトワに立ち寄っていただき、私までが親しくさせていただくようになりました。そこで、私の茨城県出張に妻がついてゆくことになり、お世話になった次第です。

 神生さんは、バラの性格に合わせて農法を変えるAなど、見事なバラ作りでしたが、切りバラを売る小さな花屋さんBもお持ちだし、切りバラを立派にする工程で犠牲にするバラの花がありますが、その花に払われる心づかいCにも感心しました。跡を継ぐ立派な息子さんにも恵まれていました。

 「ヨーグルト屋さん」は、まず乳牛の飼育Dから始まり、ヨーグルトEの生産と販売、牛の飼育で出る糞の肥料化などを一貫して手がけています。ちょうど子牛が自然分娩で誕生Fしたばかりでした。神生さんはバラを育てる肥料として、この牛糞肥料を用いています。

 かつてこのヨーグルトを神生さんに送っていただいたことがあったのですが、妻はその美味しさのとりこになりました。そのおいしさの秘密は、思ったとおりでした。自然の摂理にのっとって牛を飼育したりG牛糞を活かしたりHする姿勢と努力の賜物でした。よい牛糞肥料を作る際に、竹の葉や砕いた竹を用いるのが秘訣と知り、その意外性に驚かされました。

 次に、水車Iで線香を造る一貫工房Jの見学です。訪問時に、まず、岩を割いて育ったヤマザクラの巨木Kに驚かされました。次いで、杉の葉Lを造園業者と提携して手に入れた後は、各種線香Mとして出荷するまでの一貫工程Nに感激しました。このきめの細かな粉と良い香を得ようとすると水車で杉の葉を粉にするに限る、とのことでした。良い香が漂っている水車小屋で、私はオランダに思いを馳せました。今も風車小屋ではマスタードを挽いています。

 石岡市は茅葺家屋Oでも有名でした。京都の美山よりはるかに多様で立派Pな様式を誇っています。しかし、大平野に離れ離れに点在しており、しかも防風林に囲まれて建てられており、遠望しにくいところが難点、と感じました。工夫次第で美山以上に人気が出ること間違いなし、との印象を抱かされました。

 ギター博物館Qもありました。ここのコレクションは世界一だそうです。ギターも元は、作り手によって形も大きさも様々であったRことを知って妻は驚いていました。筑波山Sも見事でした。

 
7人もの人が集ってくださった@ バラの性格に合わせて農法を変えるA
喫茶も楽しめる小さな花屋さんB その花(ポプリ)に払われる心づかいC
乳牛の飼育D ヨーグルトE
自然分娩で誕生F 自然の摂理にのっとって牛を飼育G
牛糞を活かしたりH 水車I
線香を造る一貫工房J 岩を割いて育ったヤマザクラの巨木K
杉の葉L 各種線香M
一貫工程N 茅葺家屋O
京都の美山よりはるかに多様で立派P ギター博物館Q
作り手によって形も大きさも様々であったR 筑波山S