第6次産業化
|
|
第1次産業者が、その生み出した第1次産物を素材にして製品化し、さらに小売などサービス業にまで関与する産業を第6次産業と呼んでいます。この呼び方は、私は養豚からスタートし、いわばテーマパークにまで手を広げて成功した「モクモク手造りファーム」で最初に知りました。 このたびは第1次産業である野菜農家が、第2次産業である製造業に手を出し、さらに第3次産業にまで手を広げて成功した事例でした。つまり、1×2×3=6というわけです。この事例紹介のときに1+2+3=6でもある、との紹介がありました。 私は1×2×3=6と1+2+3=6では大きな差があるように思いました。この成功事例は1+2+3=6と見るべきだと思いました。 茨城県石岡市で訪ねた3者はいずれも第6次産業化にありました。ヨーグルト屋さんは間違いなく1+2+3=6ですし、バラ農家は2と3のノウハウを心得ようとしていました。また、水車の線香屋さんは2×3=6の恒例に当たるのではないか、と見ました。 茅葺き家屋を活かして観光客を集め、ブドウを直販していた「茅葺屋根のブドウ農家」は次第にブドウの加工品に力を入れそうでしたし、「自家製のブルーベリーを生かした喫茶店」も1+2+3=6といえそうです。 第6次産業で大切なことは、仕事を金儲けの手段にしないことだと思いました。あくまでも目的として慈しむことではないでしょうか。「バラ農家」はもとより、「ヨーグルト屋」さんや「水車の線香屋」さんでの感動は、そこに秘密があったように思います。 ですから、手段としてみたのでは採算にあわないような努力を傾けることができるのではないでしょうか。それが誇りや自信の源泉であろう、と思いました。 たとえば、「ヨーグルト屋さん」でいえば、朝の5時半の餌やりに始まり、2度目の搾乳や最後のえさやりなどで19時半に仕事を終えるまで、3度の食事以外は働きっぱなしです。日曜日もない勘定です。その作業を慈しんでおられる姿は、1日中遊んでも飽きずに疲れない子どもの心に通じるものがありそうだ、とおもいました。それが、牛糞の肥料化の工程でも悪臭がしない理由でしょう。自然の摂理にかなっており、バクテリアなどがみごとに活躍し腐敗が生じないのだ、と思いました。 これは、雲南省で観光客を受け入れていない少数民族村での体験と通じます。 |
|
牛糞の肥料化の工程 | |
バクテリアなどがみごとに活躍 | |