こうした努力
 

 
 工夫を凝らしながらモクモクと働いただけでなく、結果的にはちょっと「ええかっこう」をしたようなことになったのです。

 それは、いよいよ台風の影響を受けそうだと覚悟を決めた頃に、妻が過去を振り返ったことから始まっています。父亡き後、私が出張などで留守をしている間に台風に襲われた折の思い出です。「お母さんと2人で心細い思いをしたものです」と切り出しました。

 ですから、このたびの台風で夜半に風音で目覚めたときに、妻に気付かれぬように寝室から抜け出し、強風が治まる4時過ぎまで起きていました。その間に、テラスにある金属のテーブルは裏返しにするなど、強風にあおられて動いたり飛んだりして、被害を大きくしかねないものはその恐れをなくすように処置しておきました。

 それは、「強風程度で」と腹をくくって眠りに着くだけの度胸がなかっただけのことです。しかし、朝方まですっかり眠り込んでしまった妻が、良いように解釈してくれたのです。