心温まるニュース
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私には、若い頃の辛い思い出がたくさんあります。その1つは、日本国民には知らされていなかった国家の秘密を海外旅行先で目の当たりにしたときの思い出です。事前にきちんと教えられていたら、むしろ胸を張れたのに、と二重の屈辱感にさいなまれました。 国民に事実を教えられない国家と国民の間に横たわる溝の存在を意識した屈辱感。そして、それを教えようとしないところに国家の犯罪意識を見いだした屈辱感です。 その屈辱感を少しは減じるニュースがありました。原子力兵器の持込みに関する密約問題に続いて、これも高齢になった人の証言ですが、開戦直後に南京で目撃した皇軍の行状の証言です。同胞を欺きとおしたまま死ぬわけには行かない、と思われたのではないでしょうか。これぞ本当の意味での国家を思う国民の心、と思いました。日本人に対する内外の信頼感を高めたことでしょう。 特に後者の証言は、戦争が人間を残忍にした事例紹介であって、戦争自体を憎み、恐れ、なくせばよいことであってそれが憲法9条を保ち続ける根拠ではないでしょうか。石原新太郎さんなどは、いわゆる南京事件はなかった、ときっぱりと否定してきましたが、こうした体験談をどのように評価するのでしょうか。「自虐的」と切り捨て続けるのでしょうか。 オバマ大統領は日本への原爆投下にも責任を感じたようですが、その思考や発言の裏には自信や誇りを感じとることができそうです。このオバマ大統領の表明に対して、自虐的行為や言動と思う人はいたとしても少数派で、むしろ逆に喝采した人が多数ではないでしょうか。 |