痛い思い
 


 小用で庭に出たときのことです。1週間前の庭掃除で用いた脚立に躓き、転びました。自分が置いておいた脚立ですから自業自得です。雨がかからないように、と軒下に横にして置いたまま、翌朝丹後に出かけてしまい、正規の場所にしまう機会を見失っていました。「骨折に至らず、良かった」と思いました。

 そこは夜分に、とりわけ雨が降っている冬場の夜分に、年に数度は踏み込むところです。雨に濡れずにすむ軒下で小用を済ませるためです。側には沈丁花の木や野生のウドが生えており、しかも肥料の入ったバケツを持って入り込みにくいところですから、文字通り肥料の直まきをしているわけです。

 昼間でよかった。脚立を置き忘れていたことに気付き、助かりました。とはいえ、気付いたときは手遅れでした。反射神経が鈍ったようで、踏み出した足を逃がしきれず、脚立に引っ掛けてしまったのです。同時に、体重の移動も止められず、転びました。夜分だったらまともに躓いており、斜めにおいた脚立の上に転び、確実に腕の一本ぐらいは折っていた事でしょう。

 右ひざと右手の中指にダメージがありましたが、ビッコを引くだけのことですみました。ビッコを引きながら苦笑しました。同じことを妻がしていたら、大声で「うかつ者」「使ったものはその手ですぐに元に戻しておけ」とか「何度いったらわかるんだ」などと怒鳴っていたいたに違いありませんから。