危ない場面
 

 生豊樹化を計ろうとすると、それなりの工夫が必要です。もちろん見かけも大切ですが、枯らさないようにする工夫も大切です。上手くバランスを取って作り上げた庭は、それなりに混み合っており、いったん枯らして切り取ると、そこは日陰の歯抜けのようになってしまうからです。つまり、日当たりが悪くて、苗から再生させるのが困難です。それだけに、不要な傷を負わせて枯らさないように太い枝などを切り取る必要があります。

 柿の太い枝を切りとらずに残してもらったわけは、不要な傷を負わせない仕上げ方をするために神経をとられて、危険なことをしでかしかねない恐れがあります。

 もちろん私は、ロープを掛けて切り取り、安全を図りましたが、太い枝の重みでメリメリと裂けはしないかと気になったものですから、 わたしの胴体に切り取った太い枝をぶつけてしまいました。もしロープを掛けていなかったら、脚立ごとひっくり返って大怪我をしていたことでしょう。

 足場の悪いところで、太い枝を切り取りましたから2つか3つに切り分けないと、持ち上げられず一輪車に積めませんでした。その後で、切り取った跡に防腐剤を塗って仕上げました。

 この他に、柿ではもう1箇所、楓でも2箇所の仕上げが必要でした。その仕上げのために切り取った部分を残して置き、学生に示し、木を傷めない枝の切り落し方を指導しようと思っています。
 

柿の太い枝を切りとらずに残してもらった

ロープを掛けて切り取り

2つか3つに切り分ける

柿ではもう1箇所
楓でも2箇所

仕上げのために切り取った部分