沖縄の人たちの心情
 

 わたしたち本州の住人は、またぞろ日本人の威厳を失いそうなことをしかけています。太平洋戦争末期に、沖縄守備隊長が命がけで、本州の住人に向かって懇願したことを忘れたかのように、踏みにじろうとしているからです。

 沖縄戦では、沖縄は住人の4人に1人、20万人が犠牲になっています。その折に、太田実中将は、「沖縄県民かく戦へり」との電報を自決の直前に発したことは有名です。県民の苦闘を詳述した上で、「県民に対し後世特別のご高配を」と呼びかけているのです。

 にもかかわらず、自民党はアメリカの都合に組みし続け、今も沖縄に苦労をかけ続けようとしています。その行為は、なんとかして沖縄県民の期待に応えようとする民主党の足元をアメリカに見透かさせ、交渉力を台無しにしているだけでなく、社民党党首を駄々っ子かのようにしてしまいました。

 もちろん、民主党も社民党も頼りないと思います。しかし、過去半世紀にわたって国政を荷なってきた自民党はもっと情けない。国民に愛想をつかされてなお、態度を改めようとしていないからです。

 本来なら、野に下った今、民主党の米軍基地政策を暖かく見守るべきです。そして政権を奪還した時のお荷物を取り去っておくべきです。つまり自党ではなしえない沖縄県民の願いを汲み取った政策を、民主党に現実化させておくべきです。それが国民や国家のことを思う望ましき2大政党時代の運営姿勢ではないでしょうか。