訃報
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巨大企業の役員でした。社員対象の講演依頼で訪ねてもらったことがきっかけで付き合いが始まりました。なんと、拙著『このままでいいんですか』をテキストにして、「部下の人生を豊かにする話をしてやって欲しい」との依頼でした。リストラという言葉が「首切り」という意味で使われる以前の話です。 2度にわたって呼んでもらい、いわば『エコトピアだより』を構想する前に、その内容を訴えたわけですが、3度目は忘れた頃でした。拙著『次の生き方』がきっかけでした。その時に私はビル・トッテンさんを推奨したのです。その時点では著書や新聞記事を通してトッテンさんに引き付けられていただけですが、現役の経営者ですから、私よりはるかに説得力に富んでいるに違いない、と思ったのです。 「もうお呼びした」、今回は具体的な実践例の現実や成果を紹介したい、それが勤労意欲の源泉になる時代と思っている、が返答でした。そこで、トッテンさんと引き合わせてもらうことを謝礼の一部とする条件をつけて引き受けたのです。 大変な勉強家でした。最近博士号を取得していたはずです。ある日、トッテンさんと2人で夕食に招いてもらいましたが、そのおりに、あるアメリカ先住民の真に民主的な政治形態を熱っぽく聞かされています。 最後に会ったのはこの春です。ノコギリ持参の来訪で、竹酒を振舞いたい人があるとのことで青竹をとりにみえたのです。そのおりに夢の再確認がありました。私も加えてもらい、3人で共著を作ろうとの提案でした。 この友人には、持病があったようです。 |