加齢対策
 

 このたびのシシガシラの切り取りとその後の改装は、幾つかの角度から加齢に配慮しました。非力になることや足元がおぼつかなくなることを覚悟した作業です。

 これまで、このシシガシラの刈り込みに随分時間をとられてきました。3年ほど前に背丈を半分にして刈り込み時間を半減させましたが、それでも延1日以上を要するようになりました。また、そばのスモモだけでなく姫コブシも大きくなり、やがては日陰にしないとも限りません。そこで、切り取ることにしたのです。

 実のところは、加齢対策は65歳から5年間かけて済ませようと考えていたのですが、今もその必要性に次々と気付かされています。このたびの改装は、足元がおぼつかなくなり、よろつくことを覚悟してテラス式階段の階段部分を広げたわけです。72歳のときにその覚悟をして造作した目印として残したかった

 ここで用いた石は,庭にあって生かしきれていなかった石です。すべて自分ひとりで運んできて、1つ残らず生かし切りました。要は、そこそこうまく組み合わせられたと思って満足しているわけです。

 この改装のあとで腕っ節が鈍る体験をしたわけですが、この体験がまた新たな加齢対策の必要性に気づかせそうです。それはともかく、願わくば死ぬまで自分の足で立ち、自分の頭で判断し、日々の暮らしを自分の手で成り立たせたいのです。この点に関して言えば、「人」であることに甘えたりするよりも、むしろ「ヒト」として生きたいのです。
 

階段部分を広げた

石を、1つ残らず生かし切りました