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 国が「温州みかん」の栽培を推奨していたときに、みかん農家が共倒れしかねない過剰生産を危惧し、「甘夏みかん」の栽培に立ち向かい、成功しました。 

 国はみかん農家にも農薬と化学肥料に基づく農業の工業化を推奨しましたが、これにも逆らいました。見かけがそろった量産を犠牲にし、人間の健康と味覚の健全化を優先する農法を選んだわけです。無農薬有機栽培を理想とし、そこに到達するための努力をいとわない農法に傾注したわけです。こうした農法から、美味しい「甘夏みかん」はもとより、「デポコン」など幾多の名品が誕生しています。何年か前の九州旅行のおりに立ち寄り、そのみかん畑にも立たせてもらっています。

 ビル・トッテンさんの近著は、近年のアメリカを中心とするカジノの如き経済の正体を明らかにして、それに堅実に立ち向かう策を説いてもらえている一書と期待しています。