日中関係を見誤った管政権
 

 案の定、との感じです。中国大使人選の失敗が、ここまでことを苛立たせてしまったように思います。そもそも、中国を日本の経済的繁栄の商圏と見る論文を書いたり、中国との交易で日本1になろうとする男を後継者にすることを認めたりする人を選んだのが失敗でしょう。要は駆け引きに熱中できる人を、熱中しかねない人を,選んだところに問題がありそうです。

 夜分に呼び出されたそうですが、相手も夜分に起きていたわけですから、そう騒ぐことではありません。逢引は夜分に呼び出したり呼び出されたりする事が多いものです。しかも、そうした逢引から、2つの家系が暖かく結びつくことさえよくあるものです。問題は、それを逢引に出来なかったところ、しなかったところにあります。

 呼び出しがかかったときに、どうして一言中国側と相談をしなかったのか。「この呼出は、ヘタをすると日中関係を険悪にしかねない。それが狙いか」とただすべきであったと思います。そして、逢引のようにして、仲睦ましくする方向で終始奔走して欲しかった。

 中国が工業社会の延長線上にあるような繁栄をすることは、地球がそなえているさまざまな許容量のパンクを早めるだけです。これは誰の目にも見えていることでしょう。だからといって、発展途上国は欲望を開放するな、先進工業国の専売特許にさせろ,では通るはずがありません。つまり、つばぜり合いをしたり不信感を煽り立てたりしている暇はないは ずです。アメリカや欧州をいかに善導するかが課題です。そのためにも,資源小国の日本が立ち上がるべきです。憲法9条をもっていることを強みにすべきです。要は丸腰だからこそ切って良いタンカがある、と思います。

 本来なら、アメリカがイラク戦争を始めかけていたときに、フランスのドビルパンのようなタンカを切っておくべきでした。結局アメリカは自らアメリカの権威を地に落としましたが、日本も同時に権威を失墜しています。

 日本が努力すべきことは、アジアを1つにする役割です。アメリカやEUを善導する質量をたくわえ、すべての人が真似たらたちまちにして地球がパンクする工業社会を終焉させる構想を打ち出し、それを具体化させるうえでの円滑剤となる構想です。

 このたびは、もっと面白いことを言う人に巡り合ったわけです。中国は孔子を生んだ国ですから、そうして面で優れた人を人選して欲しかった,との願いでした。そして、その具体的生かし方を聞かされたわけです。

 余談ですが、最近の天声人語では、フランスのドビルパンの国連での演説や、地球の許容量を次のようにとりあげています。なお、天声人語では2.3個としている数字を、拙著『次の生き方』では2.4個としたり、ガンジーはこうした事態をとっくの昔にインド人に語っていたことを紹介した書籍などを紹介していますが、いずれにせよアメリカや日本のような生き方を続けているわけには行かないのではないでしょうか。