逆ではないでしょうか
 

 日本では,小売売上高が減ったと言って、開店時間を増やしました。スーパーや百貨店は、営業時間を伸ばし、年中無休にするようなことをしています。そのうちに24時間営業をしなければならなくなるでしょう。

 手前味噌になりますが、24年前に『ポスト消費社会の騎手たち』との副題を付けた一書を,朝日新聞社から出してもらいました。バブルが始まり、まさに消費社会に突入していましたが、工業文明の本質を突き詰めれば、ポスト消費社会になることは自明の理、とみてした。ポスト消費社会に、営業時間を増やす方法で対処しようとするのは愚の骨頂です。この愚の骨頂を放置している日本の政治を嘆きます。逆に減らして、エネルギーをはじめとする経費の軽減を図り、従業員の余暇時間を増やし、未来を見据えた人に脱皮しようとする人にチャンスを与え得るべきです。

 『ビブギオールカラー』が正題でしたが、それは工業社会が生み出した分業化や専業化の要員であるブルーカラーやホワイトカラーよ「さようなら」ということを意味していました。その後,リストラが横行し、ブルーカラーやホワイトカラーが泣かされています。

 ブルーカラーやホワイトカラーといったスペシャリスト、つまりロボットやコンピューターで代替できそうな要員は次第に不要となるのは自明の理です。せめて余暇時間を活かして、ジェネラリス、たとえば職人のような自己完結力を要する人に脱皮する努力を重ねやすくするように国は奨励すべきだと思います。そうした趣味を選びたくなるように導くのが本来の政治の仕事ではないでしょうか。税制とか奨励金はそうした方向にシフトしてゆくべきではないでしょうか。

 私の目から見れば、今の日本は、経済戦争化における神風特攻を強いているように見えてなりません。武力戦争での失敗を繰り返しているだけだ、と思われてなりません。残念です。