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二宮尊徳と次郎柿 10/11/21
 
 中学時代の恩師を囲む食事会で開けましたが、2度も二宮尊徳を偲ぶ1週間になりました。木曜日にアイトワ塾がありましたが、江戸時代の女性研究の権威者であり、尊徳の娘「文」の実態を掘り起こされた柴桂子先生に参加していただけました。週末は、国際二宮報徳思想学会の会長でもある並松信久先生に歓談の機会を与えていただいたのです。

 中学時代の同窓会は柚子で有名な水尾でありました。駆けつけていただいた恩師は82歳で、声のハリや会話のテンポなどはかくしゃくたるものでした。しかし、 80歳を超えたとたんに、毎年農業力が70歳代の「3年分ぐらいの速さで低下しよる」とのことでした。加齢対策を考える上で貴重な体験談でしたが、老齢化にあるわが国のこれからを考える上で、とりわけ農業問題を見通す上で大いに役立ちそうに思われました。

 食事は友人が差し入れた松茸が入ったすき焼きでしたが、なぜか小学1年生時の思い出話に花を咲きました。誰しもその1年間の思い出が、最も強烈に焼き付いているようです。私も同様ですが、巨大な爆撃機B−29が飛来した方向は記憶にはありません。しかし、忠魂碑への最敬礼、分団長に従った一列縦隊の登校、空襲警報が鳴りひびくと講堂に集められ、給食に出る予定だった丸いパンを1つずつ与えられて下校したこと、あるいは2学期に入る前に、墨で教科書のあちらこちらが塗りつぶされたことはよく覚えています。

 月曜日の朝、生ごみを荒らしに来たイタチが堆肥の山で捕まっていました。前夜仕掛けた罠に足を絡ませたのです。イノシシやハクビシンなどを警戒させ,庭に忍び込ませないようにした仕掛けですが、小さなイタチにはちぎれなかったのでしょう。「この世界でも、つかまるのは小物だけか」と嘆きながら、逃がすことにしました。皮の手袋をはめ、頭をつかもうとすると、牙をむいて「ギャ」と「キャ」の中間のような声を張り上げました。皮手袋をはめていなければ、噛まれて怪我をしていたところです。

 その他、印象深い出来事は5つ。友人を誘ってこのたび上七軒で開店した「でにむどす」を訪れたこと。キャノンのデジタルカメラが無償で治ってきたこと。顧問になってほしいとの要請に応じたこと。ある経済団体の寄り合いで、料亭に映画監督を招き、映画全盛時代の思い出話に花を咲かせたこと。そして,予期せぬ次郎柿の贈り物に感激したこと。

 「でにむどす」は、デニムを用いた和服を企画販売するブティックのことです。着物に対する悪しき概念を払拭してくれるのでは、と期待をふくらませました。今日の着物は、庶民がはたらくときに用いた着物ではありません。労働を忌避する人たちが、あるいは祝い事などの折に庶民も用いた類の代物に限られています。「でにむどす」が打ち出したのは、汚れることを気兼ねなく着て、電気洗濯機で丸洗いしてアイロンがけも不要の代物です。

 顧問の話は、すべての拙著に目を通し、遠方から訪ねる気になってくださった人からの要請でした。キャノンは保証期間中なのに、砂埃が原因だから無償ではと断られていましたが、保証書を無くしたとのことで応じてもらえたものです。要は、着物で言えば、お姫様の着物を「でにむどす」のように日常的に用いた、と呆れられていたのです。

 結局、庭仕事はたいしてできませんでした。義妹が野菜の苗をくれましたので、新たに2本の畝を用意し、3本の畝に分けて植えつけた程度です。菊菜はつくっていなかったし、菜花と白菜はイノシシのせいで半減していましたから大助かりです。玉ねぎとチマサンチェの苗も含まれていましたから、畑はほぼ作物で埋まってしまいました。

 
中学時代の恩師を囲む食事会。友人が松茸をたくさん差し入れました。牛肉とかしわのすき焼きが用意されましたが、私はかしわを選びました。松茸を差し入れたヨーちゃんと隣合わせの席でした。

捕まっていたイタチ。小型のイノシシかハクビシンなどが崩した(と思われる)草で防鳥ネットがおおわれ、そこに脚を突っ込んで絡ませたようです。イタチは雑食でしょうか、何を狙って来たのか分かりません。助けようと思っている私に噛み付こうとするのですからたちが悪い。

久しぶりで妻は6時に起床し、弁当を用意しました。味噌汁はポットにいれて、小倉山の紅葉を眺めながら朝食を、となったのです。保津峡の紅葉も眺めました。展望台に、これも久しぶりで立ったわけです。妻は近所の散歩仲間と、毎週この近辺まで朝の散歩をしています。

とても嬉しかった次郎柿。大垣市女性アカデミーを5年にわたって開校させていただきましたが、その一環で毎年アメリカへ修学旅行をしました。今年、そのお一人が夭逝されたのですが、そのお嬢さんが母親に代わって恒例の庭の柿を贈ってくださったのです。

週の半ばから、居間から見る内庭でも紅葉が始まりました。朝日が射す方向がおおきく南に傾き、これから居間に朝日がきれいにさし込む季節にはいりました。週末に拾った紅葉。これからさまざまな落葉樹が赤や黄に染まります。

繁忙期を迎えるについて、毎年このころに行なっている下水の掃除をしました。いつものことながら植物のたくましさに舌をまく思いかられます。

イノシシが荒らしたところの整備もしました。イノシシが下準備してくれたようなものだと考えると、あまり腹が立ちませんでした。このあたりに新たなブルーベリーの苗木を植えようと思っています。