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飢えたサル、大雪、ケンの退院 11/01/02
 
 印象深い年末年始でした。週初めの26日から居間の室内温度は7度を示すようになり、大晦日はこの冬最初の雪。瞬く間に16cmも積もり、元日は銀世界でした。その間のトピックスは、日曜日の26日に「大晦日まで喫茶店は休み」とホッとしてまもなく、集団でサルに襲われたこと。29日に3人の学生の加勢を得たこと。30日の恒例のしめ縄作りが雨で散々な催しになったこと。そしてその夕刻にケンが無事に退院したことす。

 年末の庭掃除は、妻も加わり、随分はかどりました。しかし肝心の仕上げは雪で出来ずじまいになりました。まず、妻は母屋周りの楓の落ち葉掃除から始めました。私は富有柿、キウイフルーツ、そして柑橘類に施肥したうえ、妻がかき集めた落ち葉でマルチングです。午後は2人で柑橘類に寒冷紗をかけたり、畑でサル対策にいそしんだりしています。広幅のレースカーテン地がなくなり、やむなく妻は細幅の生地を縫い合わせ、私がすべての野菜をことごとくトンネル栽培にする準備をし、二人で被せたのです。

 サルは餌不足と寒さで死に物狂いなのでしょう。襲い方は尋常ではありません。睨みつけるだけでは拉致があかず「恐ろしい思いをさせなくては」と考えた時にピタっと襲撃は止まりました。翌月曜日はまる1日、残りの果樹の施肥と、旧玄関周りの掃除に当てました。余勢をかって懸案の加齢対策に手をつけたのがよ雪が降っても躓かないようにしたのです。旧玄関周りの落ち葉は、楓、ツタあるいは桜などさまざまな葉が混じっていますから燃やして灰にしました。終日焚き火の煙が漂い、良い煙の香りを楽しみました。

 火曜日は、喫茶店の前の苔庭掃除から手を着けましたが、午後から小雨になり、屋内で大工仕事に手を出しました。過日コンピューターの印刷機を新調しましたが、これまでの古い方を収納する棚を設けたのです。厚紙の年賀状をのぞけば、まだ充分使用できます。

 29日は3人の学生を迎え、大仕事を片付けました。柿と楓を各1本切り取り、フヨウの大きな株を1本掘り起こし、松の太い枝を2本切り落としたのです。まずノコギリで、柿と楓の幹だけ残して枝を切り取ってもらいましたが、ロープをつかって身を守る方法を授けました。次いでエンジンソーを取り出し、その使い方を学んでもらいました。まず私が柿の幹を伐り倒し、その倒した幹を駒切りにすることから慣れてもらい、最後に、過日切り落とし楓の枝を、付け根からエンジンソーで切り取って仕上げてもらったのです。

 しめ縄作りは雨と寒さで散々でした。組み立て式テントなどなんの役にも立たず、私は一刻も早く切り上げなければ、と焦りました。妻が安倍川餅を「テラスのテントの下で食べましょう」と提案してくれたおかげで、なんとかうまく締めくくれました。解散した後で、予定数のしめ縄を作りましたが、これが47年続けてきた「しめ縄作り」の最後になるかもしれない、と思いました。老化を自覚したのです。雨が降り出す前の傾斜がきつい山肌でのウラジロ採りで、足元のおぼつかなさに気付かされたのです。

 かくして大晦日を迎えました。良い1年でした。「捨てたもんじゃない」と思わせる大勢の若者と知り合えました。キノコ博士と再会し、ミツバチの師匠に巡り会えました。富美男さんの大胆な剪定に学ぶところ大でした。東トルコとトスカーナを組み入れたイタリヤ旅行もよかったし、鹿児島大学に呼んでもらえたおかげで、沖永良部を訪ねる機会も得ました。ケンも元気に退院しました。今年最初のシンポジュームで用いる資料も2ヶ月がかりになりましたが気に入ったようにつくり上げることが出来ました。
加齢対策の1つ。かつてセメントで手作りした敷石の小径でしたが、飛び石状から帯状に改めました。これで夜分は明かりをとまさずに歩いて、大雪の日であれすたすたと歩いても安心です。

この3人と、この柿の木を切り取りました。3本の株立ちのクボ柿の1本で、一番太い幹でした。これまでの連絡窓口だった4年生の徳本英明さん(右から2人目)に代わって、次の窓口になった3年生の高野京介さん(右端)、そして1人の2年生が初参加でした。

切り取った窪柿の幹にアリの巣がありました。2本の幹がくっつき合っていたところに巣食っていました。これまでに見たことがない真っ黒に黒光りするアリでした。

大晦日の雪はまれに見る大雪で、瞬く間に16cmも積もりました。午前のお茶の時間は、雪見をしながら紅茶とカステラで、しばし英気を養いました。

3匹の犬をイメージしながら「しめ縄」を創りました。これが最後のしめ縄づくりになるかもしれないと思っているうちに、創っていたのです。左からハッピー、ケン、そして金太用ですが、妻にはどれがどの犬用かすぐに分かったようです。ハッピー用は籾がたくさん付いていますが、それはスズメが来にくい位置に犬小屋があるからです。妻は、そうした工夫には関係なしに、見かけで判断し、言い当てたようです。

昨年最後の贈り物は、都城の友人から届いた手作りの野菜と丸餅でした。早速この野菜を用いて、夕食は野菜鍋にしました。そのあと、常寂光寺の除夜の鐘を聞きながら、今年も長野の友人がおくってくれた冷凍そばを用いて、年越しそばを味わいました。

ケンはオシメをして帰ってきましたが、すこぶる元気です。