関わられた大人
 

 過日、オリーブの大胆な剪定をしましたが、その一枝をこの青年にあげようと思い、質問しました。オタクではシチューをつくられることがありますか、カレーライスは、と伺ったのです。いずれもノーでした。その訳は「母は、一緒に住んでいる祖母の好みに合わせていますから」でした。魚料理が多いようで、肉はカシワ程度、とのことでした。高齢者後のみの和食で「こんなに大きくて頑丈な体の息子を育てたのか」と、微笑ましい気分にされました。

「お祖母さんはお父さんのお母さんですか」

「ハイ、父の母です」と続きました。

 その後、お茶の時間に、妻は小さな羊羹を出しました。一人分ずつ包装したミニ羊羹でしたが、3つ出したのです。私は妻の分を含めて3つだと思ったのですが、妻はその青年のために2つ。私の分はない、というのです。このところ太り気味だからでしょう。

 そこで、「じゃあ、この1つをお祖母さんのために」といって妻の分をわたしますと、「それではこれも」といって3つとも持ち帰りました。

 この青年には、次の関東出張時に助手として付いて行ってもらいます。そうと知ったお祖母さんは、この青年に宿題を授けられたのです。繊維のリサイクルに関するシンポジュームですが、綿のリサイクルには酵素が必要となるはず、昨今の酵素の国際市場を知りたい、との質問でした。