NZ旅行でみた幼児教育
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海詩(ミーシャ)が通う公立の小学校で、バーベキューの夕べがあると聞き、連れていってもらいました。海詩のおじいちゃんから、つまり私の親友から、海詩が学校で国歌(?)を2か国語で歌っていたと聴き、是非とも訪れてみたくなったのです。その小学校では1番と3番をマウリ語で、2番を英語で歌うそうです。 公立の小学校でしたが、隣に海詩が通った幼稚園がありました。肉を焼く設備は学校が用意し、めいめいが肉などを持参して焼きます。もちろん、好みの弁当などを持って行ってよいわけで、わたしたちは稲荷寿司と海苔巻きをつくって出かけました。 運動場と校舎の間にある芝の上に、めいめいが家族単位で陣取っていました。芝生を一面に張った運動場で子どもたちが駆け回る光景を一望できます。馬を2頭連れてきて子どもたちに乗せている人や、麻袋を持ってきて袋に両足を突っ込ませてピョンピョン跳びの競争をさせている人もいました。手品師が私たち家族の陣取る席にも回ってきて、見事な芸を披露してくれました。もちろん校長先生をはじめ学校関係者も家族の間を巡りながら、保護者と立話をしていました。 講堂を覗きますと、そこは屋内運動場でもあり、国旗のようなものがぶら下がっていました。きっと子どもたちに理想の国を夢見させ、その国にふさわしい国旗を考えでもさせたのでしょう。教育方針は公立であれ、各学校が独自に決めて、それぞれの特色として打ち出せばよいようです。海詩が通う小学校は、学校を「敬いの対象」にするのではなく、「愛する対象」にしたい、といっているそうです。 |
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稲荷寿司と海苔巻きをつくって出かけました |
家族単位で陣取っていました |
馬を2頭連れてきて子どもたちに乗せている人 |
ピョンピョン跳びの競争をさせている人 |
見事な芸を披露してくれました |
保護者と立話をしていました |
NZにおける教育方針は、とりわけ小学校は、知識や経験を詰め込んで競わせるのではなく、それぞれの子どもが持って生まれた特色の発露と、健康な体づくりに主眼を置いているようです。同時に自己責任能力と、他の人やモノにたいして思いやる、あるいは讃えあうココロを授けようとしているようです。ですから、小学校での表彰制度は、海詩の通う学校でいえば、木登りが上手とか、みんなを笑わせるのが上手、あるいは周りの人を和やかにさせたなど、めいめいの良いところの見出し、評価するようです。 |
国旗のようなものがぶら下がっていました |
つまり各人の特色が強調され、全員を表彰します。もちろん学業成績も表彰され、この場合は成績上位の人が対象になります。近頃は中国や韓国からの移民の子がその上位を占め勝ちとか。 まずこの学校と幼稚園には、塀や垣根はなく、誰で自由に入れます。運動場の向こう側には湿地帯が広がっていました。鍵のかかっていない出入口があり、自由に入れます。そこは、生徒が植えたというさまざまな木や草花が茂っており、まるでジャングルです。子どもたちが作ったと思われるタイルを張ったところもありました。終始小鳥が飛び交い、チョウが舞っていました。 ファンガレイで巡った先に限った話ですが、この学校の施設と同様に、公園には広々とした芝生だけでなく、ジャングルのような部分、落ちたら底まで転げそうな崖、はまったら這い出せないような川岸などが随所にありながら、柵がありません。 |
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運動場の向こう側には湿地帯 |
鍵のかかっていない出入口があり、自由に入れます |
まるでジャングル |
タイルを張ったところ |
公園には広々とした芝生 |
はまったら這い出せないような川岸 |
次に、図書館を2度にわたって訪れましたが、とても賑わっていました。本離れはNZも同様のようですが、その傾向を案じているようで、図書館はまるで遊園地のような部分を設けていました。ハイハイしか出来ない子が勝手に遊んでいましたし、父親が座り込んで大きな手振りをしながら子どもに童話を読んで聞かせている光景も見ました。 入口はいってすぐのところに喫茶コーナーがあり、家族でくつろいでいる人が大勢いました。そのそばに雑誌や新聞のコーナーがあり、自由に持ち出して読むスペースもあります。喫茶は図書館の入口前にあるオープンテラスにも出前をするようです。 1階の書架には、童話のコーナー、中国語や韓国語などさまざまな移民が求める本のコーナー、音楽CDのコーナーなどがあり、2階にはノンフィクション書や専門書などがあり、2階はとても静かでした。 貸し出しは、住民であれば登録し、貸し出しカードを貰えばいつでも受け付けられます。貸し出しカードは大人用と子ども用のカードがあり、その区分は年齢ではありません。自分が大人になったと自覚すれば大人用に切り替えてもらえます。もちろん、大人用に切り替えると、「大人がそんなことをしていていいのかなあ」とたしなめられかねません。 読書を好む子どもを増やすためでしょうが、図書館員が子ども好みのキャラクター、たとえば赤ずきん、郵便屋のパットおじさん、ハリーポッターなどに化け、館内など図書館の構内に散在して仕事をしながら、子どもたちに見つけさせるスタンプラリーの日もあるようです。凍えて死にそうな虫に扮した館員などは、子どもが真剣になって救急車を呼びに走りかねないほどの演技をし、簡単にはスタンプを押させないそうです。賞品は有料貸出しぶつの無料券です。 クラシック音楽を奨励しているのでしょうか、無料で貸し出していました。 話題は変わりますが、レイの息子シェインはハーバード大学を卒業しましたが、その卒業式でマオリ人の民族衣装を身につけることを望み、大変な緊張が走ったとか。なにせ文化財として保存されていた正装ですから、貸し出す資料館も緊張しましたし、それを受け入れて着用を認めるハーバード大学もとても緊張したそうです。 NZでは、美しい水や空気や大地さえを残しておけば、子どもたちがかってに勇気や希望を奮い立たせるであろう、と考える人が多いようです。 |
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ハイハイしか出来ない子が勝手に遊んでいました |
子どもに童話を読んで聞かせている光景 |
喫茶コーナー |
雑誌や新聞のコーナー |
音楽CDのコーナー |
2階にはノンフィクション書や専門 |
2階はとても静かでした |
大人用と子ども用のカード |
無料で貸し出し |
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