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野菜の端境期 11/04/17

 来客に恵まれました。京都の旧家中の旧家として、きちんと伝統的な生活を守ってらっしゃる母娘に始まり、最後は花見で東京から訪れた知友でしたが、その間にも素晴らしい来訪客に恵まれたのです。向こう半年にわたって庭での研修を希望する女性、NZのレイさんが縁で知り合った名古屋の女性、あるいは名カメラマンなどと続いたのです。

 旬の香りにも恵まれました。庭のヨモギの草餅に始まりタラの芽の天ぷらで終わったのですが、その間にダイコンの花芽、葱坊主、頂き物の地元の若筍、初収穫のアシタバ、そして2度目のワラビなどと続いたのです。草餅は贈り物にしました。「仲間が頑張っているので」と言って、余震が続く茨木に帰っていった一家とその仲間に、どうしても味わってもらいたかったのです。この時期はカラシナの古漬けも美味しくなります。

 アシタバは、この春から庭の随所で芽吹くようになったもので、重宝な自生野菜になるかも知れません。冬野菜と夏野菜の端境期を埋める青菜としては、これまではチマサンチェを除けば、ニラ、アスパラガス、そしてエンドウマメと続き、青菜に不自由してきました。おのずと自生のミツバが一人舞台でした。そこで、宿根ソバとアシタバの自生を願い、努力してきたのです。宿根ソバとアシタバの美味しい活かし方を妻に研究してもらい、端境期をうめる自生の青菜三羽烏にさせたく思います。アシタバの香りはセロリのようで、まずは炒めて賞味しましたが、妻は使いやすそう、と気に入った様子です。

 庭仕事のパターンは先週から端境期に入っています。暖かい日は朝食後すぐに庭に飛び出し、肌寒い日は外気が温まるのを待ちます。履物も、まだ長靴を主に用いています。とはいえ、今週はすぐに飛び出す日が多くなっており、水に触る仕事を次々とこなしました。温室の3つの水槽、居宅周りの4つの水鉢、そして人形工房周りの2つの水鉢の掃除を済ませたのです。とりわけ、中庭にある大きな水鉢は、「今年もモリアオガエルが」との願いを込めて念入りに行い、2匹の金魚を棲まわせました。前回買い求めた小さな金魚はすべて死なせましたので、あらたに10匹買い求め、分け入れた次第です。

 植木鉢の手入れにも随分時間を割きました。自然生えのホウキグサ、義妹に苗をもらったネモフィラ、越冬に耐えた株では数が足らず、苗を買い求めて補充したベゴニア、挿し芽で育てたゼラニウムなど、30ほどの鉢植をつくりました。残るは、アップルセージなどのセージ類とレモングラスの植替え程度です。いつものことですが、手がガサガサになりました。気がつくと手袋をとって素手になっているからです。

 畑仕事は、除草の他は進んでいません。それは花芽の収穫期を終えた冬野菜を抜き取らず、菜の花畑を楽しんでいるせいです。いよいよ夏野菜の種をまいたり苗を植え付けたりする時期が迫ってきましたので、来週から本格的に夏野菜の畝作りに取り組もうと思っています。ホウレンソウなどはすでに種まきを済ませておきた時点です。

 久しぶりで木陰のテラスのカバーを外し、用いました。妻が人形教室の仲間と花見をしながら昼食を、と願ったからです。そのおかげで、私も名古屋から見えた女性だけでなく、東京からみえた知友との花見にも生かしました。この知友は、アイトワの庭で企業の記念樹を初めて植栽した人です。その紅しだれとジューンベリーが満開の状態でお迎えした次第です。楓の葉が日々膨らむなど、春爛漫とはまさにこの状態でしょう。次週も、天候さえよければ、妻は連日のように活かすのではないでしょうか。

ダイコンの花芽と葱坊主が妻に新しいメニューを考えさせました。といっても、これが最初にして最後になるに違いありません。たまたま今年はダイコンの花芽と葱坊主が同時に採りごろになりましたが、来年はどうか分かりません。また、同時に迎えたとしても、妻は異なるメニューを考えたいことでしょう。

火曜日の朝食では、自前の歯が揃っていたことを感謝しました。頂き物の本鰹節の削り節、イカナゴのチリメンジャコ、そしてカキの佃煮、加えて自家製の昆布の佃煮とからし菜の古漬け、それらを温かご飯にのせて韓国のりでくるんで味わいました。とりわけ本鰹節の削り節とカキの佃煮の貝柱は歯ごたえがあり、入れ歯では味わえなかったことでしょう。自家製の味噌は、3年ものを主にしたようです。

ハニンニクの新芽を初めて食材にしました。たくさん採れた球根を使いきれず、芽を出させて味わったのです。細い芽の掃除は私が受け持ちました。生のままで掃除するととても手間がかかしましたが、味噌汁の具に、湯通して剥きとった分はヌタになりました。ヌタは美味は、おそらく口にした人は世の中にいないことでしょう。

新緑の楓に覆われた木陰のテラスと、そこから見た景色。満開の枝垂れ桜や花期を終えたばかりのサンシユなどが望めます。新たなブルーベリー畑、といっても4株ですが、はこの眼下にあります。そのむこうにこれまでのブルーベリー畑、と言っても3株しか残っていませんが、あります。

今年もモリアオガエルが産卵してほしい、と願いながら睡蓮を2株植え足した水鉢。野生動物の水飲み場の水鉢は、半日がかりの掃除でした。ハナミズキやメグスリノキの落ち葉でいっぱいになっていたからです。取り出したゴミと底の水は、イトトンボのヤゴもいそうだと思って残しています。とはいえ、ボウフラが湧くのも心配です。

温室のメダカの水槽はこれまでは3つでしたが、小さな水槽を1つ加えました。増殖と水槽を掃除する上で活かします。庭にはメダカでないとボウフラ退治ができない水鉢があります。夏場の水温が高くなり、金魚では耐え切れないのです。

次週をうきうきとした気分で迎えたくて、石材を買い込みました。バラスを敷いた坂道で、重い荷を積んだ一輪車を押し上げるのはとてもくたびれます。要は一輪車道をつくろうとしているわけです。