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311を振り返る 11/05/22

 好天下の変化に富んだ1週間でした。乙佳さんが親方と震災対策に用いる資材を運びこんでくれたり、「アイトワのような生き方を目指している」と言ってくださる村上夫妻を迎えたり、と来客に恵まれました。妻と2人でレストランにでかけるなど、外出も楽しみましたし、茨城県まで泊まりがけの出張もありました。もちろんさまざまな庭仕事にも精を出しましたし、その合間でハッピーの家の補修にも手を染めています。

 震災対策の1つとして、庭に水浸しにならない平らな空地をつくろうと思っています。庭は傾斜地ですから、大雨が降ると表土を水が流れます。また、樹木が森のように生えていますから、適当な空地がありません。そこで、囲炉裏場に目をつけ、雨水が流れ込まず、排水をよくして、いつでもテントが張れるように造作することにしたのです。

 村上夫妻には珍しい野菜の苗をもらいました。種を自家採取できる固定種の四葉きゅうりとプリッキーヌというタイのトウガラシ、空芯菜、そしてシカクマメといってサヤだけでなく根まで食べられるマメの苗です。プリッキーヌとシカクマメは初めて育てる品種ですし、とりわけ辛い唐辛子だというプリッキーヌはドキドキものです。というのは、すでに植えつけてある甘唐辛子と交配して辛くしないか、との心配なわけです。

 このご夫婦は、自己完結能力に富んだ生き方を目指しておられますが、このたびの大震災は日本にとってまたとない好機に見える、ということでウマがあいました。また、帰路の車に便乗させてもらえましたから、学生時代の友人の絵画を美術館で鑑賞できました。

 311後初めて茨城県を1泊2日で訪れましたが、「久しぶりだ」との余震に見舞われ、不気味に感じました。一帯では田植えが始まっており、農地が放射能汚染されないように、と祈りました。ホテルのロビーで大勢の菜っ葉服姿を見かけましたが、これも震災の影響でした。津波に襲われた工場の勤労者が、被災を免れた工場に移動してきていたのです。

 たった2日間家を明けただけなのに、庭は一変していました。出る時に咲き始めていた白雲木の花はすでに散っていました。テイカカズラやオオヤマレンゲが咲きはじめており、玉神木と一緒になって芳香をたなびかせていました。ヤマボウシとエゴの木は満開。サクランボが赤く色づき、楓など落葉樹の若葉が一段と色濃くなっていました。畑も花盛りです。エンドウマメ、キャベツ、ネギ坊主、あるいは春菊など野菜の花だけでなく、随所で芽生えたマーガレットやケシなどの花でいっぱいです。いつものことですが、この時期の庭では、刻々と植物が息づいていることを痛いほど味合わさせられます。抜き忘れた野草は次々と種を落とし、翌年度の除草を思いやられたりするからです。

 畑では、エンドウ豆の収穫が最盛期に入っていました。はやインゲンマメやキュウリが支柱を求めていました。落葉した竹の落ち葉をかき集め、夏野菜の畝のマルチングに活かし、ポットで育てていた自然生えのクリスマスローズの苗を地におろしました。

 知友から、もらった「原稿をネットに載せた」との知らせもありました。震災直後に記した一文ですが、村上夫妻にも読んでもらうことになっています。飛び上がるほど嬉しいニュースもありました。前回のアイトワ塾では、飛び入りのゲストを迎えましたが、その一家に、仮住まいの地を京都に見定めてもらえたのです。その仲立ちをしたアイトワ塾生の財木さんから福島原発事故関連のビックリする情報を紹介され、不気味になりました。これから財木さんほかアイトワ塾生と滋賀に出かけ、中江藤樹に詳しい講師を訪ねます。

今週の主な食事。太字は庭の産物。日曜日の夕食は、ヤブガラシの酢味噌和え、フキと生麩の煮物、新玉ねぎとキャベツの新葉にマグロの缶詰を添えたサラダ、ダイコンの間引菜の浅漬。翌朝はクコ粥。イカナゴのチリメンジャコに梅干と鰹節で味つけした振りかけ、多い目の油で佃煮風に唐揚げしたフキの葉、玉子焼きなど。金曜日の朝は、スナップエンドウと玉ねぎのサラダ、オニオンブレッド、チャイ、そしてサクランボ。

好天の火曜日は、再びハッピーの家の修繕。過日、側面の板を打ち直したばかりですが、その時の衝撃で錆びた釘が折れたようです。底が抜けました。まるで解体掃除をするがごときの掃除をし、部分的に防腐剤を塗りました。この修繕中に、妻は金太から順に、3頭の犬のシャンプーをしています。

今週の主だった収穫物。クコのアーチで切り取った若枝をしごいて取ったクコの葉。おひたしや味噌汁の具などにも活かします。2度目のヨモギは湯掻いて冷凍保存しました。ヤブガラシの新芽。そして土曜日の朝一番に収穫したサクランボは2kg。


白雲木

満開のエゴノキ
今週の見事な花。妻が友人からいただいた白雲木が、初めて花をつけたのですが、じっくりと鑑賞できなかったのが残念です。房なりに咲きますが、季節外れ(5月14日)のヒョウが花を落としてしまいました。満開のエゴノキとヤマボウシ2種。そしてテイカカズラ。

ヤマボウシ2種

テイカカズラ

夕食が目的で、東山にあるホテルのレストランに出かけ、そこの窓から見た西山。アイトワはこの西山の裾にあります。食事のための外出は結婚来初めてのことですが、ディナー招待券を元旦の来客にもらっていましたので活かしたものです。

花盛りの畑で、ケシも次々と咲きますが、やっと私好みの花を見つけました。2年前からケシが無数に自然生えする畑にできたのですが、あらかた抜かないと農作物を作れません。今年もその芽を抜きながら、私好みの花をつける芽をぬいているのではないか、とハラハラしたものです。

温室にある水槽の1つで、ミツバチの師匠からいただいたヒツジグサが咲き始めました。この水槽ではメダカとタニシを飼っていますが、浮き草はサンショモ。クワイも育てています。