実業家の蛮勇
 

 梅田についたときに、駅構内外の一帯が迷路のようになっていたので驚きました。阪急百貨店の増床改装のせいです。帰途、地上の離れたところからその全容を三次元的に見て驚きました。阪急百貨店の建物が高層化していただけでなく、一体が摩天楼のようになっていたのです。伊勢丹三越が進出したり、梅田大丸が南館を作ったりしたため、と聴きました。日本の小売売場面積は過剰もいいところですから、生き残りをかけた増床でしょう。まるで列強の軍拡競争のような様相です。

 これは蛮勇ではないか、と思いました。潰し合いではなく、棲み分け合いを考えられないのでしょうか。そうばん、増床自体が間違いであったことに気付かされることでしょう。そのお金を、他に使わないといけないときだと思います。お金はまだしも、用いる資材やエネルギーのムダ、あるいは大量に廃棄物を出しかねないことが心配です。でも、その間違いが負となって明らかになるまで、自明の理を説明するとケチをつけたようなことになり、無駄でしょう。