NHKスペシャル
 

  戦時中に、日本でも原爆の開発に手をつけており、ウラン鉱石の採掘も始めていましたが、困難を極めています。そこで、軍の上層部は、アメリカにも原発は開発できないものとの結論を出しています。

 日本の諜報部は、米軍の暗号電波を傍受し、本土爆撃に飛来するようになったB-29の大編成は、3つの発進基地を発つ3ツのグループだと掴みました。その後、4つ目のグループがあることがわかり、そのグループは10機余と異常に少ない機数だと知り、特殊な任務を司っているようだと推測し、軍の上層部に報告しています。

 8月6日、諜報部は4つ目のグループが動いた事実を知り、特殊な任務を司っているようだと睨み、軍の上層部に伝えましたが、上層部は黙殺しています。この4つ目のグループは日本軍に迎撃されることなく、広島での原爆の投下に成功しています。

 他方、原爆を落とされながら難を逃れた無傷の女学生がいました。軍の仕事についており、地下壕で働いていたおかげです。その後、彼女は地上にいた同窓生が全員殺されていたことに気付かされています。

 軍の上層部は、アメリカにも原発は開発できないとの結論を下していたてまえでしょうか、広島に落とされた原爆は特殊爆弾だと発表し、アメリカには2つ目の開発はできない.との結論を下すにいたっています。そのころ、アメリカがまた少数機が動かせたことを諜報部は察知し、上層部につたえました。

 4つ目のグループの当時、日本軍は紫電改という1万メートル上空まで上昇し、B―29と交戦能力があった飛行機を配備していました。そのパイロットは、少数機で飛来するB―29に、再び特殊爆弾を落とさせないように特攻攻撃もじさず、との覚悟で出撃命令を待ち構えていました。

 結局、軍の上層部は諜報部の報告を握りつぶし、警戒警報も出させておらず、迎撃機への出撃命令もださず、長崎にも原爆を思うがままに落とさせました。

 6日夜のNHKスペシャルを私は以上のように要約しましたが、朝日の「素粒子」は完結にまとめています。

 原発はアメリカにも開発できないとの結論を出し、広島に落とされてもなおアメリカには2つ目の原発は開発できないとの結論を下した軍の上層部が、メンツにこだわらず、広島と同じ動きを始めたB−29の飛来を深刻に受け止め、警戒警報を出させていたら、そして迎撃機に出撃命令を出していたら、と思わずにはいられませんでした。