好物のネギの芽

 路地栽培の場合ですが、種から1年がかりで育てたネギを夏のはじめに抜いて干し、それをネギ苗として今頃に植え付けます。そして太らせ、秋から収穫を始め、本場の冬、そして初夏にかけて収穫し、趣味します。

 干し上げたネギ苗は、根元から10cmほどのところで切り分け、根元の方を苗として畑に植え、先の方は捨て去るものです。その捨て去る部分を私は「勿体ない」と考えて利用します。枯れた葉をめくってゆくと、ほんの少しですが青い部分が中に残っているのです。

 写真の右下部に写っているの取り出した芽、中央は枯れた葉クズ、左は切り取った先の部分。

 この青い部分は、乾燥状態で過ごしてきた関係で、独特の風合いを有しています。細胞の密度がとても高く、香りがとても強い。この特色を私は大事にしています。とりわけ、ざるそばの薬味に向いていますし、少し細かく刻んで納豆の薬味として生かたりすれば、店頭で売られたりしているネギでは味わえない風味を楽しめるものです。

 干し上がったねぎ苗を買って、この薬味を1人分とろうとすれば、1束500円ぐらいの苗と、20~30分の時間を要するのではないでしょうか。まさにダ・イ・ゴ・ミ。