つけ込む
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今日の工業文明国の人々の、とりわけ日本人の医療機関への依存率の高さと、医者に対する不信感の強さは異常でしょう。悪循環に陥っているように思います。 患者は、医者の見立てでは安心できず、より精度の高い機械の見立てを信用したくなっています。医者は、己の見立てに自信が持てず、機械の精度に責任転嫁しようとしているかのように、患者の顔さえまじまじと見ません。それに代えて、高額の精密機械がはじき出す数値に依存しています。つまり、高額の機械を取り揃える競争に陥っています。 それでなくとも対症療法は問題なのに、次第に機械の見立てに従った対症療法に走っており、患者だけでなく医者までが、根本問題を忘れる傾向にあります。つまり発病させた原因の追求とその原因の除去です。 問題は、発病の原因追求とその除去に専心したら、精密機械への先行投資を償却出来ずじまいになる恐れがあります。つまり根本問題など忘れてしい、患者を増やさないと立ち回らない勘定です。 それが人間ドックに入った人をあらかた病気持ちにしてしまう事態を招いたのでしょう。同時に、医療過誤問題を増やしているのでしょう。双方にとって気の毒です。 |
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