鶏の卵殻とシジミの関係
 


 中学生になって鶏を飼い始めてからのことです。母は病身の父に日に1度は卵料理を添えていましたが、時々殻ごと父のもとに持参させられていました。そして、母を通して私のもとに司令が飛んできました。

 あるとき、久方ぶりに朝食の味噌汁がシジミ汁でした。そのシジミの殻を金槌で粉々に砕かせられ、鶏に与えさせられたのです。鶏は狂ったように粉砕した殻を競うようにして食べました。翌日、卵の殻が分厚くなっており簡単には割れないほど固くなっていたのです。強烈な思い出です。あるときは、黄身の色から判断したようで、魚屋で粗をもらってきて、水煮にして細かく刻まされ、餌に混ぜさせられたこともあります。