怪我の功名のようなこと
 

 写真はいずれもこの週末時点、10月9日の状況です。
 上の2例は、2回に分けて種をまいた2本のダイコンの畝です。それぞれ最初にまいた種だけでなく、せっかく出た芽も次々と虫害で欠けてしまい、歯抜けのようになりました。そこで、その歯抜けのあとに、2度わたって追いまきをしたわけです。大雑把に言えば、6段階に分かれてダイコンが育ちつつある状況です。
 左の写真は、9月27日に生の馬糞を鋤き込み、その畝に3本の条を切って3種の種をまき、野菜の育生実験を始めた畝です。それが驚くべき成果を収めつつあるのです。

 実験を始めたその夜に、畝を野生動物に荒らされてぐちゃぐちゃにされ、やむなく翌28日に畝を仕立て直し、2本の条を切って再度2種の種をまいたことは、先週の週記で触れました。それが期待通りに、怪我の功名のような成果を収めさせつつあるわけです。
 
 前回まいたコマツナ、ホウレンソウ、そして聖護院大根の3種の種と、1日遅れでまいた2種、コマツナとホウレンソウの種が見事に出揃っています(下左)。あとからまいた2種は条に沿って出ており、先にまいた3種は条から外れたところに出ています。

 双葉の芽が3種あります(下右)が、条から外れて出ている一番大きな双葉と次に大きい双葉はともに27日にまいた聖護院大根とコマツナの芽です。コマツナの芽の大きさの違いは1日違いの差であって、これは冬野菜の育て方の難しさを示す1例のように思います。もちろん、条から外れたホウレンソウと条のホウレンソウの芽の大小の違いも1日の差です。
 
 この差が数日に広がると、野菜によっては決定的な差となってしまいます。たとえばハクサイ。虫害を避けようとして、気温が下がるのを待ち、わが家ではいつも数日種まきが遅れがちです。それが収穫期にはハクサイと緑菜の差となってしまうのです。わが家でも、ハクサイとは葉がきちんと巻いた通常の姿のものを指しています。他方、緑菜とは、葉を巻く気にならなかったハクサイのことで、中央の葉も開いたまま育ってしまい、日光を受けて緑色になり、軟らかくなっていなハクサイを指しています。栄養価は緑菜の方が高いのではないでしょうか。

 要は、直まきで生じる1日違いの差をいかにして埋め合わせるか、の問題です。その問題が、この度の怪我の功名のおかげで、むしろ家庭菜園にとっては好都合な結果に結び付けられそうだ、と分かったわけです。多少の犠牲や手間を覚悟すれば、むしろ時差育成をして収穫期を長くしていたようなことになる。また、数日の遅れていどなら、畝を仕立てたその日に直播きできる方法があったわけです。

 これはまだ希望的観測にすぎませんが、あと2~3ヶ月の経過を見れば、期待取りに「旬の期間を長引かせる」ことに結び付けられるか否かがはっきりするでしょう。もし期待通りにゆけば、これもアイトワの流儀の1つに加えたく思っています。