木の根
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アイトワの庭を巡りながら、「この根はどの木のものですか」との質問があったことを思い出しながら、伺った話があります。 東日本の被災地で、幾本か(5本と聞いたように思います)の木がかたまって生き残っていたそうですが、その根の貼り方を見て「絆」という文字に思いを馳せた、とのことでした。その根の絡まり方が、大津波に耐えさせたのでしょう。 ちなみに、アイトワの理念に触れています。1986年に門扉を開放しましたが、その訳です。当時の勤め先では有名建築家を登用して新ビルを作っていました。窓をはめ殺しにするなど時代錯誤もはなはだしい設計でした。そう非難する以上は、時代を読んだ建物の提案が必要だと感じました。そこで、1985年から建設しはじめ、その完成を待って庭にアイトワとの名称を与え、門扉を開放しています。 木の根といえば、ミツバチの師匠から、興味深い話を伺いました。良い実をつける柿の木を増やそうとして、たくさんの台木に接木をした話です。同じ樹の枝を用いたのに、台木の違いによって、つく実に差異が出たというのです。 さらに、よい梅の実をつける木を増やしたくて、同じ種類の梅の苗木を育てて台木とした話もありました。同じ種類の梅の台木に、1本の木から取った枝を接木しても、つく実に差異が出るそうです。台木の断面が星型になった木には良い実がつかないとか。 同じ木からとった枝であれ、台木の根の違いによって、つく実に差異が生じるわけです。 これによく似た話として、臓器移植があるようです。臓器移植をした人が、臓器提供者の体質や性質を引き継ぐ現象が現れることがあるようです。 ちなみに、ミツバチの師匠にはこの日、巣の状態をカメラで除く窓の改良と、キンリョウヘンの生育具合の点検に当たってもらえました。また、オオスズメバチの退治という危険な作業に、妻まで駆りださなくて済ませるために、罠を持参してもらえました。 |
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改良後 |
罠 |