人間のおぞましさ
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この1000人もの人々を収容したという城塞を通して、ヘロデ王の偉大さを目の当たりにしましたが、その反面も見たように思います。それは、ローマ風の風呂を見た時の直感です。ヘロデ王は当時の多くのユダヤ人を熱狂させたはずですが、そこには人間の弱さも潜んでいたのではないでしょうか。 この城塞は冬の宮殿でもあったようですが、王のプライベート空間があまりにも多くの部分を占めていました。また、立派なローマ風の風呂がつくられていました。ローマ風の風呂は、オンドル式のサウナもあり、当時のユダヤ人の意見は2分されていたとか。つまり、ローマ風の風呂は主に人間の体を癒しますが、ユダヤ式の風呂は沐浴場であり、心を清めるのが主眼であったからです。 とどのつまりは、ユダヤ王国はここで最後を遂げ、流浪の民となりますが、ここに籠城した人たちは壮絶な最期を迎えています。もはやこれまでと見たのは1000人ほどのようですが、兵士は一旦城塞内にあった私宅に帰り、家族を殺害して再度集結。その中から選ばれた10人が残る兵士を殺害し、さらにこの10人から1人が選ばれ、9人を殺害。さいごの1人は自殺。ユダヤ教では、自殺は罪であり、復活できないことになっているとか。この事実は貯水槽に隠れていた2人の老女があきらかにしたからだとか。 |
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城塞 |
城塞の模型 |
ユダヤ式の風呂 |
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