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七草を庭で自生させたい 12/05/13
どうやら庭で、ホトケノザ(タビラコ)が自生するようになりました。来年からは春の七草を、スズナとスズシロを除く5種を庭で自生するもので賄えそうです。そのようなわけで、沖永良部で見た「野菜もどき」は何だったのか、と改めて気になっています。
アイトワ菜と同様に栽培野菜が交雑したものに過ぎず、それが野草化し、定着したに違いない、と見ていましたが、振り返れば、アイトワ菜とは決定的な違いがありそうです。まず季節の違いです。アイトワ菜は冬野菜の交雑種であり、冬野菜と同じシーズンに育ちますが、沖永良部で見た「野菜もどき」は、夏から晩秋にかけて収穫されていました。
もう一点は根菜。島でこのたび見かけた根菜と似たアイトワ菜の根を食してみましたが、見かけとは違い、とても軟らかくて美味しいことを確かめました。そこで、にわかにもう1つの願望が頭をもたげたわけです。それは春の七草をすべて庭で自生させたい、との願いです。タビラコだけでなく、これまでは、スズナとスズシロは畑で育てたカブラとダイコンに代用させていましたが、この2種についても、と欲が出始めたわけです。
わが家では20年ほど前から、野菜として活かしうる野草を増やそうとしてきました。長年にわたってフキ、ワラビ、コゴミ、そしてタラノメは自生種を食べてきました。ミョウガやヨモギも活かしてきました。10年ほど前から自生しているタンポポ、ヤブガラシ、あるいはカラムシも美味しいことも知りました。ゼンマイとセリも増えています。
近年では、苗をもらった宿根ソバとアマナ、株を買い求めたコゴミが定着しました。昨年からは、苦労のかいがあって、アシタバも定着した、と言ってよさそうです。10年ほど前から、いくども苗を買い求め、植えては失敗してきましたが、3年ほど前から生き残るようになり、やっと勝手に増えるようになり庭のあちこちで自生しています。
ミツバにいたっては、庭の随所で勝手に広がっており、妻は自慢げに採って、友だちに差し上げています。その味や香り、あるいは歯ざわりは、路地栽培種よりもはるかに上回っています。ビニールハウスでの栽培種とそれらは雲泥の差ですから、栽培する気にはなれません。栄養価も格段の差があることでしょう。今はその末期です。
この上に、ありがたいことに、今年はダイコンに関して楽しい発見をしています。季節外れに路地で自然発芽し、育つダイコンを見かけたことです。そこで、ダイコンだけでなくカブラも野生種に戻して、庭で自生させられるのかも知れない、と思うようになったのです。七草粥が発祥した頃はスズナとスズシロも野生種であったのではないでしょうか。
植物は不思議な力を持っています。島津鉢のそれぞれにカシの芽が1本ずつ生えていましたが、それは偶然ではないと思っているわけです。種が1つずつ落ちて、それが芽生えたわけではないだろう、と思っているのです。1本ぐらいならなんとか生き延びられそう、と判断したドングリ同士が相談し、代表に芽生えさせたに違いない、と見ています。野菜と野草の違いは知れば知るほど不思議になります。植物は、人工ではなく、自然に芽生えるときは自己責任観念のもとに芽生えているように思われてならないことが生じます。阪神大震災のおりに、顧問先企業に枯木調査をしてもらいましたが、250本余の古木はすべて倒れておらず、悠然としていましたが、それもその一例です。
そのようなわけで、自然生えの庭の植物で、1年の生活を支える野菜ぐらいは調達できないか、との夢をふくらませています。その手始めは春の七草粥です。
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タビラコが庭で自生するようになりました。長年の夢がかなった、と喜んでいます。すでに種を結んでいますが、むくむくと育っているところもあり、つい先日まではとても美味しそうでした。 |
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石畳道に大根の芽が今頃になって、出ています。間違いなく、昨年もしくはそれ以前におちこぼれた種が芽生えたもの、と見ています。 |
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アシタバは、今では庭の3箇所で勝手に芽生えるようになりました。これから、その範囲を次第に広げるものと考えられます。この地の土や気候に年ごとに種が適応してゆくのではないでしょうか。 |
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アマナは、庭の5箇所で勝手に芽生えるようになっていますが、それほど苦労をせずに定格させられた1種です。とはいえ、まだ本格的に収穫して食材にするまでにはいたっていません。アマナは、チューリップと同類でしょう。 |
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コゴミも2ヶ所で定着しています。今の時点ではまだ芽を出していませんが、やがて芽を出し、いずれは長けて、綺麗な群落になります。 |
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七草の中で最も苦労したのはホトケノザでした。定着させるのに10年以上もの歳月を要しました。写真は、まず保護や管理がしやすい水鉢で育てている分です。この成長具合を見るたびに、七草粥の日を新暦の1月7日ではなく、旧暦で定めるべきだと思います。 |
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大失敗したのはペンペングサ、七草の中のオギョウです。かつては嫌になるほどはびこっていましたから目の敵にしました。いつしか絶えてしまい、土中に埋もれて生きているであろう種に期待し、数年ほど待ちましたが芽生えません。そこで、よそから持ち込み、数年がかりで復元しました。今ではかつてのようにはびこり始めています。オギョウはダイコンと同類だと思われます。 |
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