経済戦争でも敗色が濃くなりつつある
 

 まったく理不尽ともいえる原発再稼働の動き。このわが国の動きに対して、ドイツの緑の党は理にかなった再稼働反対を表明。ドイツ政府は福島の原発事件を契機に、原発の安全確保について検討し、安全確保を担保できないとの理由で廃棄方向を打ち出した。片やわが国は、福島の原発被災者に国民が得心する保証さえできていないのに、危惧されていた筋書きとおりの再稼働を打ち出した。

 たしか菅前首相はわが国の脱原発をうちだしていたのに、その決意を導き出させたと思われる現地視察に注文をつけ、この声明自体をないがしろにしようとしているかのようです。その間にドイツは、太陽光発電で2200万kw(原発20基分)もの発電を記録したとか。かつてわが国は太陽光発電では先進国であったのに。

 戦時中にわが国が強行した「徴用にたいする賠償請求権は有効」と韓国大法院は新判断を打ち出した。片や、わが最高裁は、沖縄戦没者の「靖国合祀」を取りやめて欲しいとの遺族の願いを却下する判断を打ち出している。

 同じ敗戦国である日本とドイツ。敗戦を機に立場が大きく変わった日本と韓国。それぞれの国は、多くの犠牲をともなった戦争終結を機に、どう成熟したのか、あるいは成長することができたのか。つまり悪しき体質、あるいは押し付けられた悪しき体質から脱却できたのか、できずにいまだに引きずっているのか。気になる。

 あるいは、オリンパスの巨額損失隠しでは、12億円もの和解金を支払いながら、わが国の一面をかくのごとく公表された。にもかかわらず、業界当局は遺憾の声すらあげていない。しかも、わが国の他の多くの報道機関は、この公表を掘り下げようとはしていない。逆に世界のメディアは、こうした事実も含めて活発に取材活動を繰り広げ、「知らぬは日本国民のみ」の立場に追い込むような動きをしていそう。残念無念。

 また、官民格差を感じさせる記事がまた出ていました。本来は、この逆でなければいけない主権在民の時代です。官が顕にされて困るようなことがあったのでは困ります。

 経済的な威力が低下するに従って、わが国の立場は地に落ちそう。国民の意気がますます低下しそうで心配です。