新たな心配事
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先週末のこと。入れた覚えがないキンギョが、温室にあるこの草色の容器の中で、悠然と泳いでいた。「もしや」と思い、真上にあるガラス製の水槽を見ると「案の定」キンギョが1匹減っていた。1番大きいキンギョが水槽から飛び出し、運良く下部にあった容器に「飛び込んだンだ」と合点。 合点と同時に、1つのアイデアがひらめいた。実は先週、母屋に設置している雨水をためる素焼きの瓶で、大量のボウフラがわいていることに気付かされていた。「そうだ」とばかりに、この飛び出したキンギョを「一抹の不安を感じながら」この素焼きの瓶に移り棲まわせた。一抹の不安とは、飛び出しクセのあるキンギョではないか、との不安。 今週は「案の定」との思いで明けました。「キンギョが死んでいます」と、野菜の収穫に出たばかりの妻が、玄関先にある母屋の玄関あたりで大声をあげた。私は「放っておけ」と腹立たしげに応えています。ところが、「まだ生きています」との妻の声が返ってきて、飛び出してみると、キンギョは瓶の底でまだ生きている様子。ウロコが数枚はがれ、数匹のアリがたかっていたとか。 「よかった」と、妻の肩を叩き、「キンギョに学習能力があればいいのにネ」と期待を表明。この事件はこうして始まり、その後、瓶のそばを通るたびに覗き込み「死ぬ思いをしたんだろうな」と同情したり、「学習能力がありそうだ」との期待に胸を膨らませたりしながら3日間が経過。ところが、水曜日の夕刻には暗転しただけでなく、新たな心配事を抱え込むようなことをしてしまった。再び飛び出して死んでいるのを見かけたのも妻でした。問題は、その後にとった私のおこない。 親メダカと孵化したメダカは、共食いを避けるために異なる容器で飼っています。問題は、温室にある2つのガラス製水槽では親メダカだけでなくキンギョなども一緒に棲まわせていること。そして、このガラス製水槽の1つでこの事件は生じていたことです。 親メダカにはホテイソウの根元で産卵させます。そして、産卵したと思われるホテイソウを取り出し、孵化させる子メダカだけの水槽に移し、孵化をし終えたとみると、親メダカが棲む水槽に戻します。このホテイソウの交換を安易に行ってしまったのです。つまり、メダカのことだけを考えて、キンギョを一緒に棲まわせていたことを、とりわけ死んだキンギョが入っていたことを忘れていたことです。 実は、飛び出したキンギョが棲んでいた水槽の残る2匹のキンギョに、産卵したと思われるホテイソウを取り出した後で餌をやろうとして失敗に気づきまいた。2匹共に死んでいたのです。水草の陰になっていて見えにくく、気付かなかったのです。 死んだキンギョは2度も水槽から飛び出したわけです。それは飛び出しクセのせいではないのではないか、と気付かされたのです。ウロコが数枚はがれていた、と聞かされていました。寄生虫が原因で、飛び出したのではないか、との心配です。 もしそうなら、ホテイソウの交換を通して、他の容器にも病気を蔓延させてしまったのではないか、と異なる心配事を抱えこんでしまったわけです。 |
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温室にあるこの草色の容器 |
素焼きの瓶 |