期待をはるかに超えた感動
 

 家具工房を見学させてもらう約束がありました。10時頃に車で迎えてもらい、3時頃に帰宅しましたが、なんともありがたい時間でした。ご夫婦の息はピッタリだったし、素晴らしい工房でした。うらやましい人生だなあ、と思いました。その上に、もう一つ、ありがたくもあり、忘れがたい思い出ができたのです。

 天井が高いこの工房には2階があって、手すりのない回り階段を登ったところに広くて明るい居間があり、見晴らしが良くて、使い勝手もよさそうです。そこにキッチンや風呂などの水まわりが集中しています。ところがこの日、私の体は最悪で、まずふくらはぎが痛くて歩けない状態でした。しかも前夜、『ファンタジア』を思い出すほど、ふくらはぎを主に痙攣に襲われ、睡眠不足だったのです。『ファンタジア』とはディズニー映画で、数多くのクラシック名曲を映像化しており、『田園』の1場面で、引きも切らずに雷鳴がとどろく場面がありました。

 話題が「木材との出会い」に至ったおりに、時を同じくして「平櫛田中でしょう」と、連想した彫刻家の名を口にしました。100歳になってなお、気に入った木材と出会うと買い込み、数十年は使い切れないほど溜め込んでいた故人です。

 排水処理は、オガ屑を活かすバイオシステムでした。緑のカーテンにはホップが活かされていました。山裾で緑に恵まれており、冷房機がなくて、暖房は薪ストーブでした。わが家と同じで、その煙突は2階を貫いており、上階も暖めます。

 当日は弟子を迎える日とのことでしたが、その弟子さんにも出会うことができ、創作中の作品も見せてもらいました。雅楽に用いる面でしたが、「コピーでは困る」との発注であったとの話を聞いたときに、「創る」と「作る」の差異を気にかけている私たち夫婦はまた感動でした。

 


天井が高い工房

天井が高い工房

2階があって

明るい居間がある

「木材との出会い」に至ったおりに

バイオシステム

雅楽に用いる面でしたが、「コピーでは困る」