大進化の必要性
 

 この会社は建材を主としたう優良企業で、官需やゼネコンとの太いパイプを大切にしていました。私は、その得手の強化は小進化に過ぎず、大進化することを提唱しました。つまり、生きる仕組み自体を改める提案です。たとえていえば、トカゲが恐竜になる進化・小進化ではなく、爬虫類が哺乳類に転換する進化・大進化を勧めました。

 それは建材を主とする会社から、当時すでに始まっていた業態拡大・緑化事業部の強化です。緑化事業を主にする会社にするだけでなく、官需やゼネコンとのパイプに依存する会社から脱皮し、民需部門を新設し、民需を主とする会社に改める提案でした。いわゆる消費者の生活を直接豊かにする会社になろう、との呼びかけでした。

 素晴らしい若手社員に恵まれた会社でしたし、社員の情熱をとても尊重する素晴らしい社長や幹部にめぐまれた会社でした。大進化は、言うは易いのですが、実践するのは大変です。しかし、きっといつの日にか、この大進化の提案は実行に移され、目覚しい成果を収めるに違いない、と私は希望を抱き続けてきました。

 この度は、その大進化を成し遂げつつある気鋭の人たちに「数百億円規模の会社になってほしい」と新たな希望を述べました。それは規模が大きくなるだけの小進化の提唱です。もちろん規模の拡大にもさまざまな工夫を要するでしょうが、この会社はきっとうまく成し遂げ、この点についても触れる機会が巡ってくるものと思います。

 なぜそう思うのか。それはこの会社の風土の良さがそう感じさせます。