子どもの頃を彷彿
 

 農家に生まれ、殺される運命にあった子ブタが主人公の映画です。その子ブタの命を、幼い娘が父の手から救い、お隣の家畜小屋で育てさせてもらいます。問題は、春に生まれたブタは、雪を見ずにベーコンなどにされる運命にあることです。

 シャーロットとはお隣の家畜小屋に住み着いた大きなメスグモの名前です。シャーロットは、この子ブタがやって来てから、家畜小屋の動物が、牛、馬、羊、そしてアヒルが、生き生きとしたことに気づき、このブタに雪を見させる知恵を絞ろうとします。

 こうした家畜とシャーロットの他に、人に左右されずに生きている2羽のカラスと1匹のネズミも登場しますが、そのすべての動物が会話をし、意見を述べます。

 子ブタの命を救った娘のことで母親は医者に相談に行きますが、映画ではこの医者に子とも時代の特権を語らせます。この幼い娘は変わり者ではなく、誰しもが幼い間は備え持っている特質、大人になるに従って失ってしまう感受性の賜だ、というわけです。

 再見でも、さまざまなことに気付かされたり、教えられたりしました。その幅と奥行が、一緒に見た姉妹のお陰で飛躍的に広がったように思います。どこでこの姉妹が笑うのか、ハラハラするのか、と気になりだしてから、画面に一層引きつけられました。

 ふとわが幼い頃を振り返り、天井のシミや襖のヤブレが怖いモノに見え、頭から布団をかぶった思い出がよみがえりました。