隔世の感
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かつては、ハクサイは移植がきかない野菜と思い込んでいました。39年近くも昔の話ですが、嫁いできた妻が、私が直播きしたハクサイの畝を見て、そうとは知らずに移植して、成功したのです。密生したところの苗を抜いて、芽が出ていない欠けたところに移植したわけですが、それが見事に活着したのけです。 もちろん私も、それまでに幾度となく移植を試みていましたが、ことごとく失敗でした。その後も、ハクサイは40年近くにわたって、つまり昨年まで直播きしてきました。そして、発芽などにばらつきがでると、妻に移植してもらってきたわけです。とはいえ、移植した苗の成長は、根が活着するまでに数日を要しりもので、遅れます。 ハクサイは、早く種をまいて早く育てないと結球しません。ところが、早くまくと、まだコオロギなどが元気に生き残っており、種を食べてしまいます。また、せっかく発芽しても、その芽を他の元気に生き残っている虫が食い荒してしまいます。そのようなわけで、無農薬でハクサイを育てるのは至難の業でした。ですから、わが家ではハクサイとは呼ばずに、リョクサイと呼び習わしてきたほどです。つまり、十分結球していないハクサイでコトたれリ、とあきらめていたわけです。 ところが、2〜3年ほど前からでしょうか、義妹がポットで育てた苗が余ればくれるようになりました。その苗は、1つのポットに(種を2つ3つまいて発芽させ、間引いたようで) 10cmほどに育った1本立ての苗でした。それを歯抜けの畝に移植してきました。要は、10cmほどに育った苗は移植に耐える、と知ったわけです。 このたびは、冬野菜を路地でなんとか早く育てたくて、初めての試みに挑戦しました。これまでは苗床で育てていた水菜と壬生菜の種だけでなく、直播きしてきた小松菜、ナバナ、そしてハクサイの種までポットにばらまきしました。いずれも見事に出揃いました。なんとその2〜3日前に、義妹もハクサイの種を平鉢にばらまきしていたわけです。そして、その余った分を私にくれたのです。その密生した双葉の苗をばらして、私はポットの1本ずつ植え直しました。今のところは順調に育っています。多分、うまく育つでしょう。もちろん、私がポットにばらまきした方も芽が出て、順調に育っています。 ですから、来週の初仕事は、2つの試みに生かそうと思っています。1つは、間引きながら1つのポットで1本だけ残し、10cmほどの苗に育てる。もう1つは、すべてをばらして1本ずつポットに植え直し、育ててみる。そのいずれがより望ましい状態に結球させるかを調べたく思っています。 他に、双葉の苗をばらして1本ずつ畑の畝に植え直すことも考え方としてはありえますが、それは無駄な試みだと思います。虫害と日中の乾燥に絶えらず、うまく育てられないはずです。げんに、先週末に義妹からもらった苗を今週初めに畝に植え、レースカーテン地をかぶせてトンネル栽培にしていますが、小さかった苗はことごとく消えています。 ちなみに、ダイコン、紅芯ダイコン、あるいはカブラなどの根菜は今回も直播きする予定です。 |
私がポットにばらまきした方も芽が出て、順調に育っています |