「さすが!」
 

 わが家の庭では、数カ所でヒガンバナが生き残っているに過ぎません。樹木が茂るに従って日陰にされ、元気がなくなり、消えていったのです。今年は、月曜日の朝に見かけた一輪しかまだ見ていません。とはいえ、「さすがはヒガンバナ」と思いました。お彼岸の翌日に咲きましたし、私は厚着に切り替えていたからです。暑さ寒さも彼岸まで、とはよく言ったものです。

 日曜日の朝から、半ズボ姿を返上し長袖長ズボン姿にフリースのベストまで羽織って庭に出るようになったわけです。まずその姿で、水槽や水鉢のキンギョやメダカの餌をやって回りましたが、その折にヒガンバナが一輪咲いていることに気付いたのです。そして週末まで、その一輪以外に自生種の真っ赤な花を見かけていません。

 まもなくヒガンバナの花期がおわり、葉を出すことでしょう。その葉のありかを探して回り、庭の幾箇所でヒガンバナが生き残っているのかを確かめ、同時に肥料をやって球根を太らせ、来年の夏に備えたく思っています。葉が枯れて消えてから球根を掘り出し、日当たりが良い場所に移植してやろうと思っているわけです。

 子どもの頃は、なぜかヒガンバナを毒々しく感じており、好みではありませんでした。その後、曼珠沙華(マンジュシャゲ)とか虞美人草などの別名があることを知ったり、救荒食品として移入されたことを知ったりするに連れて、馴染み深い花の1つになりました。

 とりわけ、黄色い花をつけるヒガンバナの球根を五島列島の人からもらい、その花を見たとたんに好みの花の1つになったのです。その後、白やクリーム色などのリコリスと呼ばれる洋行帰りの花を知るにつけ、保護したくなるまでになりました。

 ヒガンバナの球根には毒物が含まれていると聴かされていますが、救荒食品とする場合は、いかにして活かせばよいのか、その方法やその味のほども知りたくなっています。

 

ヒガンバナ

黄色い花をつけるヒガンバナ

リコリスと呼ばれる洋行帰りの花