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箱入り息子とGaman 12/11/18

 当週記は、5日分です。週初めは、西へ東へと5日間続いた出張の最終日で、夜に帰宅していますし、本(17日)週末は、これから夜久野と宮津経由で小浜まで日帰り旅行に出かけます。とはいえ、この5日間に、ビッグイベントが4つもありました。卒業後50周年記念の同窓会に参加、ケンを「箱入り息子」にしたこと、とても目立った木を2本も切り取ったこと、そして恒久的なキノコの伏せ場を完成させたことです。ちなみに、箱入り息子とは、妻が15日から採用したケンの扱い方の名称です。私の留守中に、ケンを夜の間だけプラスチック製の衣装ケースに入れ、居間で過ごさせ始めていたのです。

 快晴で空けた月曜日は、2回目のサフラン摘み、ポットで育てたチマサンチェの苗と、買い求めたキャベツの苗を植えつけ、遅ればせながら花ケシの種をばらまき、そして畑で育てた中国ホウセンカの種を採取した上で、その跡を耕しています。

 火曜日は、定期検診の通院に昼食抜きで日中の5時間を費やしており、庭仕事はできませんでした。なぜ5時間もかかったのか。それは、ある友人を同道し、現在私が世話になっている医者に診てもらうためでした。この友人は26年来世話になっている電気屋ですが、わが身のことを忘れて仕事に没頭し、無理をするタイプだからです。おかげで、5日続きの出張で増やしてしていた体重を、気分良くもとに戻すことができました。

 曇天の水曜日は、橋本宙八夫妻を迎え、初めて一緒に庭仕事に当たることにしていました。しかし夕刻まで、私は1人で野生のゲンノショウコをポット仕立てにしたり、寒さに弱い鉢植え植物を温室に運び込んだりして過ごしています。それは宙八さんのポカでした。そこで急遽、電話で計画を変更し、夕食を持ち寄り、庭仕事は翌木曜日に順延です。ちなみに、寒さに弱い鉢植え植物として、まずホンコンカボックとルリマツリを選びました。

 木曜日は感激の午前と大笑いの午後になりました。午前は宙八夫妻を迎え、2本の背丈10m近い木を切り取ってもらいましたが、なんと2時間余で玉切りにまでしてもらえたのです。その手早さ、夫婦のチームワーク、そして周辺の植え込みに一切ダメージを与えない手慣れた作業ぶりに感激です。午後は大学時代の仲間と学校で落ち合い、変貌した学校を見学したうえで一件借りした京町家に移動し、大笑いの一夜を過ごしています。

 翌朝は6時に目覚めてしまいましたので朝食だけとり、帰宅しました。12月の講義や講演の資料を仕上げる作業に追われていますし、庭仕事もしたかった。第一、当週記を金曜日の朝のうちに仕上げないと小浜まで安心して出かけにくい。日曜日も、朝食を済ませたあと飛び出して、志賀郷まで日帰りすることになっています。志賀郷とは恒例のBBQパーティのことで、綾部にあるミツバチの師匠のお宅で開催されます。

 金曜日の午後は、恒久的なキノコの伏せ場を完成させました。瓦で土留めをつくり、一輪車で3杯分の土を入れ、ホタギを伏せ場を1箇所増やしたのです。これまでの2箇所にはミツバチの師匠と乙佳さんにもらったヒラタケとナメコのホタギが陣取っていますが、今回の作業で、私が種駒を打ったホタギを伏せるスペースができたわけです。

 ちなみに、週初めまでかかった5日続きの出張では、さまざまな印象深いことがありました。とりわけ、茨城県での倉本聰の講演とその後の会食や、虎塚古墳と十五郎穴を訪ね歩いたことで、あるいは東京での「Art of Gaman(尊厳の美術)展」(東京芸大美術館で開催中)の見学などで、さまざまなことを学んだり気付かされたりしています。
 

倉本聰の講演を聴いたのは、まだ2度目ですが、また学ぶところが多々ありました。この講演会の開催に少し関わったのです。翌朝は大洗の浜を散策しましたが、とても印象深い朝焼けでした。


虎塚古墳

墳墓・十五郎穴
墳墓・十五郎穴 長年の念願であった虎塚古墳を訪れましたし、奈良時代の墳墓・十五郎穴の見学もできました。それら資料館では、初めて目にしたタイプの縄文土器が多々あり、当時の創作する様子を想像し、彷彿させられました。

持ち寄り夕食とは、妻が朝から用意してしまっていた今年3回目の柿の葉寿司を活かしたものです。ここに茶碗蒸しを加えて橋本夫妻とお嬢さんの1人を迎え、宙八さんに準備してもらえた水炊きで仕上げています。水炊きは、レモン汁、擂り下ろしたショウガ、そして胡椒でパンチを効かせた醤油出汁で味わいました。この柿の葉は、これまでに見た一番大きな葉です。

日本髪に魅せられ、一人で結い、ここ数年来過ごしてきた女性を迎えることが出来ました。おそらく世界で唯一の人ではないでしょうか。その仕草や物腰なども板についており、ほのぼのするひとときを過ごさせてもらいました。

この庭で、とても対局的な存在であった2本の木を切り取りました。背丈10m近いネムの木は自然生えでしたが、背丈10mをこすカツラの木は記念樹でした。ネムは門扉の真正面にそびえていた生木で、カツラはイノシシスロープの中ほどで育てて来ましたが立ち枯れました。切り取り作業は橋本夫妻に任せましたが、これまでに知る中で最も見後な作業ぶりで「さすが」と思いました。あとは枝の始末を残すのみです。

ケンは、私の留守中に妻が思いつき、採用していた方式で、夜の間は「箱入り息子」にされていました。犬齢18年目の無心に眠るケンを見て、何とかしつけ直そうとしていた己がみじめに思われました。耳が遠くなったケンは、心もとなかったのでしょう。いずれは箱の中で粗相をし、我慢の日々を迎えることになるでしょう。なぜか亡き母まで思い出し、冷暖房がきかない自宅で死にたがったわけが分かったような気分にされました。

瓦で土留めをつくり、一輪車で3杯分の土を入れ、ホタギを伏せる場所を1箇所増やす作業でした。この作業の前に、出ていたキノコをほぼ収穫しました。別途1年余も前にこしらえた伏せ場の点検もしましたが、雑菌が入ったホタギがたくさん見つかりました。割って乾かし、燃料にします。