いつものように
 

 大晦日の妻は、「お煮しめ」や「酢の物」など造り、屋内の掃除、仏壇と神棚の手入れ、そして「しめ縄」配りなど。私は庭掃除の仕上げ、仏壇や神棚に用いる草木摘み、「お鏡餅」造り、そして「しめ縄」の飾り付けなどを受け持ちます。

 「お煮しめ」は、正月を2人で迎えるようになってから、重箱は3段で済ませていますが、中身の種類や味付けは変わっていません。3ケ日の間に二人で片付けます。

 元旦は、まず神棚と仏壇で手を合わせます。神棚では、私は自然に対する畏怖の念を新たにし、「自然の摂理」を尊ぶことを誓います。それが28年間のサラリーマン生活や、10年間の教員生活を無事に過ごさせたのだと信じています。とりわけ、理不尽と思ったことには身を引いてでも迎合せず、自分を「棚卸し」する道を選べたのだと思います。

 その上で、朝のお祝いです。まずお屠蘇を酌み交わして「おめでとうございます」と朝の挨拶です。そして私は仏前で誓ったことを思い出しながら「本年もよろしくお願いします」と付け加えます。次いで「福茶」そして「白味噌雑煮」へと移ります。

 このたびの3ケ日は、元旦と2日目の朝は「白味噌雑煮」で、3日目の朝は「澄し雑煮」でした。昼は、元日は「安倍川餅」、2日目は「にしんそば」、そして3日目は「 きつねうどん」。夜は、「蛤の吸い物」、「茶碗蒸し」、そして日毎にかえて添えられ、「お煮しめ」や「酢の物」を3日間で平らげます。このたびの酢の物はレンコンとナマコが割愛され、2品でした。代わりに、オニシメの中に、畑のカブラの酢の物が添えられていました。

 問題は「睨み鯛」です。いつもとは異なることが生じました。このたびは、鹿児島の「祝い折り詰めかまぼこ」の中に「鯛の意匠」も含まれていましたから、妻は割愛することにしていたそうです。ところが大晦日に、27年間もお世話になってきた人が、大きな鯛の塩焼きをくださったのです。「睨み鯛」は3ケ日明けの4日の夜から手を付けます。
 

「お鏡餅」

「しめ縄」の飾り付け

一の重

二の重

三の重

重箱は3段

神棚

仏壇

「福茶」

「白味噌雑煮」

「澄し雑煮」

「睨み鯛」●