憲法学者の長谷部恭男さんの意見
 


 安倍首相は昨今、さかんに集団的自衛権について云々していますが、この面でも詭弁が多すぎるようにおもいます。100歩譲っても、煽情性が高すぎるように思い、とても危険性を感じます。

 長谷部恭男さんは、20130214朝日新聞朝刊オピニオン欄で、集団的自衛権についても触れており、「日本国憲法9条の下では、国に自衛権はあるものの、それは個別的自衛権であり、集団的自衛権は認められないとされてきた。国際法上認められている権利を自国の憲法で否定するのは背理でと言われることもあるが、これは背理ではない。大福餅を食べる権利は誰にもあるが、私は自分の健康を考えて、大福餅を食べるのは控えるというのが背理でないのと同じである」。

 この大福餅のたとえに触れて、安倍さんが国民に食わせようとしている大福餅は毒まんじゅうのごときではないか、と私は心配になり始めています。早晩実体のない安倍政権の経済政策はほころびますが、しょせんそれは経済問題に過ぎません。いくらでも取り返しがつきます。ところが、憲法9条問題はそう簡単な問題ではありません。とりわけアジアの中で、日本を孤立させかねない問題です。またぞろ歴史に悪しき足跡を残し、未来世代をいっそう悲しい境遇に追い込むのではないでしょうか。