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 幸せな心配事 13/03/24

 もう春になったのでしょうか。紅シダレウメは先週初めに咲き始めましたが、このところの陽で先週末にはほぼ咲き誇るまでになっていました。昨年、鉢植えから地に下ろした紅シダレウメと紅白混合のモモ、そして苗木を買って来て植えつけた白い花をつけるプラムとピンク色のやや大きい花を咲かせるアーモンドは、いずれも無事に根付いており、花の数は少ないですが咲かせています。昨年暮れに大胆な選定をしたカリンもこの一帯に生えていますから、来春には花をつけるでしょう。あと数年もすれば、桃源郷を思わせるような一角になりそうです。

 それにしても、おかしなことが次々と生じた冬でした。ダイコンがいつものように育たず、妻は「おでん」を作る回数を減らしました。ついに「ふろふき大根」は望めそうにありません。これは序の口でした。サザンカにいたっては、順調に咲き始めたかと思いきや途中でストップ。今も蕾のままで3分の1ほどを残しており、いつ咲かせるのか、と心配です。途中で冷え込みがぶり返したからです。梅の開花は随分遅れ、3月中旬になってやっとき始めたわけですし、チマサンチェの成長がこんなに送れたのも記憶にありません。とにかく不順な天候でした。

 先週1週間を見ても、やっと春だと思った日の翌日から一転して冷えこみがもどり、薄氷が張ってしまい、せっかく動き始めたミツバチを引っ込めていました。柑橘類の寒冷紗を、わけあっていつ外そうか、と悩んでいます。もう大丈夫だろう、と予定した日の朝になって霜が降ったりしたからです。かく不順な冬でしたが、私の起き抜けにおこなうパンツ1枚での洗面は、1日も欠かさずに続けることができました。鼻風邪を引きはしましたし、今も鼻を詰まらせがちですが、なんとか良きクセ(妻の意見は逆ですが)を続けられたのです。

 今の最大の心配ごとは3頭の愛犬です。思い返せばハッピーは、散歩に連れ出した時に脱兎のごとく走らなくなったころから目は悪化していたのでしょう。やっと「少しは賢くなった」と褒めていたのに、全盲になる先駆けであったわけです。ケンは「もって2〜3日」と妻が不安になった日に、私は覚悟を決めて墓穴を掘りました。その期待は的中し、に命を長らえてくれています。唯一、これまで通りに走ることができるのは金太だけですが、口の周りあたりには随分白髪が増えています。でもフテブテシイ態度に変わりはなく、元気です。

 それにしても、この3頭は、書生のおかげで随分楽しい時期を過ごせたことになります。書生に随分かわいがってもらい、遠方まで散歩に連れてってもらっているからです。書生は力持ちですから、長老のケンも、ハーネスで下半身を吊り下げて散歩ができたころは、「思い残すこと」はないだろうと思われるほど根気よく散歩をさせてもらっていました。

 そのお返しに、というわけではありませんが、書生には夫婦喧嘩の「コツ」も学んでもらっています。そのコツに、今頃になって私は新たなる1つを加えています。これまでは「何千回言ったら分かるのだ」と怒鳴っていたのですが、思うところがあって「手控えるコツ」を身に着けました。それは「あきらめ」です。もっと早くこのコツを身につけておくべきであったのか、それとも否か、それはこれから咀嚼し直さなければならない課題の1つになりそうです。

 新たな心配は、昨年やっと捕獲できたミツバチの群れなのに、風前の灯になっていることです。

 この冬の間に、3本のニセアカシヤの苗木を囲炉裏場のそばに植え付けましたし、居間の前には3本のニンジンボクを植えました。庭の随所でミツバチの師匠にもらったミツバチ好みの苗木も順調に育ち、ダンコウバイ「檀香梅」にいたっては、まだ小さな木ですが見事に黄色い花を咲かせています。あと何年かすれば庭は蜜源の木で賑やかになることでしょう。
 

庭の様子がずいぶん変わりました。繊細な生き物であるニホンミツバチの蜜源や健康を意識して進めてきましたが、それがいっそうリビングシステム(生活基盤)としての庭の様相に深みを与えました。

紅シダレウメはかくの如し、です。冨美男さんに剪定してもらったおかげです。きっと冨美男さんは、今年もさらに剪定の手を加え、さらにスッキリした姿にさせるのではないでしょうか。この木は双樹でした。同時に2鉢いただいたのですが、他方は昨年の暮れに新果樹園に下ろしました。無事に根付いて今年も花をつけました。

サンシユは第一次の大々的剪定を済ませた段階にとどまっていますが、今年もそれなりに花を付けました。この花と、よく似た花をダンコウバイ「檀香梅」のオス木がつけています。これから成長期に入るようですが、メス木もあるそうですから、雌雄そろってそこそこ大きく育てることができそうな場所に、今のうちにこのオス木を移植しておくべきか否かと悩んでいます。

生後18年目のケンは、一進一退を続けています。それにしても、幸せな犬だと思います。妻の看護もけなげですが、書生の優しさにも触れることができたわけです。ケンはこれまでに3度も不思議な迷子になっていいますが、そのつど優しい観光客や警察の人の計らいで命拾いしています。

生後15年にして全盲になったハッピーV世。このよく吠えるV世が迷子になっていたら,その日のうちに保健所に移送されていたことでしょう。T世は男らしくて賢い犬でした。餌に肉の塊を混ぜてやると、後に取り置いて食べていました。U世は、咬みつくこと前科7犯でしたが、どなたにも警察に突き出されずに済んでいます。このV世は、U世のためにぶら下げていた注意書きの札を「この犬咬みます」から「この犬咬めます」に書き直させています。

金太はハッピーV世と同じ時に捨て犬センター(表示は愛護センター)からもらってきましたが、性格がことごとくハッピーV世と異なっています。小さい体なのにフテブテしくて賢い犬です。とはいえ押し寄せる年波には勝てず、白髪が増えました(側の後藤さんが気になって緊張気味)。金太とハッピーV世を同時に育ててみて、勤めていた女子短大での多くの学生がずいぶん個性を押し殺した生き方をしていることに気付かされたことを昨日のように思い出されます。

週末になってもまだ、朝は真冬並みの様相です。野菜も草花も霜に打たれ、縮み上がっています。まだ、指標樹のナツメは新芽を出していません。この新芽は、霜の心配がなくなったことを教えます。