彬さんが掘り出した栗の木の根株をみて、驚かされたり過去を懐かしんだりしています。驚かされたことは、栗の木の耐久性です。立ち枯れてから四半世紀になりますが、土中に隠れていた部分まであらかた残っていたからです。過去を懐かしんだのは、立ち枯れたわけをまざまざと思い出したからです。それは根元を埋め立てたせいです。
1985年に、最初の人形工房(今はワークショップになっている)を作っていますが、地下テラスを設けた半地下構造にしており、大量の土を掘り出しています。その土を捨て去らずに、その土で畑の面積の半分ほどを埋め立て、青空パーキンと、その後イノシシスロープと呼ぶことになる道を作っています。そのイノシシスロープの中ほどに、この栗の木は生えていました。その関係で根元を70〜80cmも埋め立てられ、立ち枯れたわけです。ですから、地上に残っていた部分の3倍以上もの部分が隠れていたわけで、ジャッキではラチがあかなかったはずです。
彬さんがこの根を掘り出し始めたときに、帰り合わせていた伸幸さんが見て「庭のオブジェに」との意向を示していましたが、それを思い出し、梱包して発送しました。
初代書生に、次代書生が50kgもある根株を掘り出し、それを目の当たりにした私は四半世紀昔をありありと振り返り、助っ人として訪ねた学生が洗い上げて、送り届けることができる。そう思っただけで嬉しくなりながら、彬さんと妻に手伝ってもらって梱包しました。
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