サプライズ
 

 なんと! 学生たちは当日、私たち夫婦にプレゼントを用意したうえで訪ねていたのです。それが分かったのは、いつものように門扉のそばでお別れの挨拶をした後のことでした。「ところで」とリーダーの池田駿さんが大きなカバンを開き始めたのです。

 そして翌日のこと、池田さんから次のような趣旨のメールが届きました。この絵皿を私たち夫婦がことのほか喜んだことにたいして、「私たち(学生)も大変満足している」と述べた上で、ここで「補足して」おきたいことがある、と続いたのです。

 それは、このプレゼントを引き渡す日として当日を選んだ学生たちの想いでした。母の日と父の日の間にあったがゆえに選択した、と記されていました。そして、私たち夫婦がそうした選択をさせるに値している、と付け加えられていたのです。

 世の中には机の上では、つまり文字や言葉などでは学べないことがありますが、そしてそれは、むしろ机の上で学べることより実社会で生きてゆく上では遥かに大切だと思うのですが、それを私たち夫婦が、まるで父や母のように気付かせてくれる、と記されていたのです。