力仕事
 

 栗の根株を掘り出す作業も力仕事でしたが、木苺の支柱の後始末もさぞかし力を要したことでしょう。自動車を持ち上げるジャッキをもってしても歯が立たず、ビクともしなかったので、やむなくダイヤモンドカッター(ディスクグラインダー)を持ち出してきて切り離したほどですから、その後始末は力を要したはずです。

 この木苺の支柱には側柱がついており、側柱にもコンクリート製の基部を設けており、この基部が温室のコンクリートで出来た基礎部とセメントで固めてあったのです。

 彬さんは私が留守をしていた間に(先代の書生・伸幸さんも似たことをよくしましたが)片づけていました。私も若いころはこれに似たことをよくしています。しかも、このたび彬さんがした作業も体験していますから、このことと次第は手に取るようにわかります。

 問題は、この力仕事を通して彬さんが「カケヤ」を潰していたことです。樫の木のゆがんだ部位の丸太を用いたカケヤですから、それ相当の衝撃を加えないと、こうは割れないと思います。

 これまでに彼はシャベルの柄を折っていますし、小型ツルハシの柄も折っています。シャベルの柄はすでに補修して使っていますし、小型ツルハシの柄は取り替え済みです。そのご、彼は(振りかざし方の)大型ハンマーの柄も折っており、このたびカケヤを割ったわけです。

 さてどうするか、と私は思案しました。すでに試用期間の3分の2が過ぎ去ろうとしています。