3代にわたって取り組んできた

 


 現在のリーダー・池田駿さんは3回生で、この囲炉裏の改修作業は彼が1回生の時からはじまっていああす参加しています。当初は、食べず嫌いの気ままに見える青年でしたが、ついにリーダーとなり、統率力を発揮しています。

 たまたま前回、11人の一回生を引率した日に、彼は胸に「MISSION」と大きくプリントしたTシャツを着ていました。そこでわたしは、人生の「MISSION」にまで話を広げ、意見を述べました。もちろん、アメリカでは1980年代後半から、企業活動でも「MISSION」を問われる時代に入っている、と紹介しています。ていることを紹介しています。

 この囲炉裏場の改修は311がキッカケです。東京八重洲で地震に遭遇し、1泊の非難のつもりで茨城県東海村に連れて行ってもらい、ほうほうのていで翌夜京都にたどり着きました。その過程で、大震災対策を考えるようになり、その一環としてこの坂地に位置する囲炉裏場の改修を加えました。古瓦を埋め込んで20cmほど地上げをし、大雨時に上手から流れてくる雨水をさえぎる側溝などを設けて、ここでテント生活ができるように構想しました。

 アイトワにやってくる佛教大学の学生は、循環型社会と循環型生活のありように興味を持っています。ですから、体験を通してそのありようをつぶさに学んでもらいたく思い、いつもふさわしい作業を用意して彼らを待ち受けてきました。

 学生たちの目には、その日担当した役割が、どのような意味や意義を持っているのか、必ずしも明確に理解できているとは限りません。終日、瓦を割る作業に従事したりするわけですから、それが、いかなる貢献になるのか、理解できていなかった人もいることでしょう。

 おりよく彬さんに、横穴堀りのテーマに熱心に取り組んでもらえましたから、囲炉裏場の鬼瓦の装飾も一緒に取り付けられました。また、彬さんに赤土を敷く手伝いもしてもらえました。きっとこの化粧仕上げをした状態を観たら、学生たちは歓声を上げることでしょう。

 わたしとしては、この囲炉裏場の完成を機に、1人でも多くの若者がプレゼントプッシュ型の考え方を卒業し、フューチャープル型思考を身に着けてくれることを期待しています。
 

11人の一回生を引率した日

化粧仕上げをした状態

化粧仕上げをした状態